「『ブラック企業と旧日本軍』(ワタミ化と東南アジア化)」と言うブログのエントリーで、日本の飲食産業で従業員のモラルハザードが発生していない事を、村社会構造の組織であるゆえだと「村社会構造の組織」と批評している。興味深いが、問題の側面を良く表していない。過去の労働運動などが考察されていないと言う指摘があったが、労働組合が雇用主の“モラルハザード”を防止してきたと言う観点が無いからだ。 1. 雇用主のモラルハザードもある モラルハザードは、狭義には事前に結ばれた契約が、契約通りに進められていない現象を指す。広義には倫理的・道徳的に許されない行為を行う事も入るであろう。 就職後の従業員の行動で見れば、上述のエントリーで指摘している通り、就業中の怠慢などを指すことになる。採用後の会社の行動で見れば、従業員に与える業務の量が労働基準法で許される範囲であるかが問題になる。 三六協定に従った労働条件だか