先般、早稲田大学教授の若田部昌澄氏と『本当の経済の話をしよう』(ちくま新書)という共著を上梓しました。幸い好評のようなのですが、第18講「あなたは「幸福」の国ブータンに住みたいですか」――「幸福研究」についての講義です――で批判的に言及した『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)の著者・古市憲寿氏よりツイッター上で反論をもらいました。この件につき、当方の見解を述べたいと思います。 まずは当該記述を(p.240-241)。若田部 幸福度調査の話題を続けると、最近、古市憲寿『絶望の国の幸福な若者たち』が話題になっているじゃない。栗原 物心ついたころからずっと不況で、非正規雇用のせいで生活と将来の不安に脅かされている現代の若者だけど、生活満足度や幸福度はなんとここ40年間でもっとも高いのだ! と東大博士課程在学中の若手社会学者(の卵?)が挑発的にぶち上げた本ですね。若田部 古市氏は、20代の若者の