はじめてロケットの打ち上げを目の前で見たのは、1994年の種子島、H-IIロケット初号機でした。延ばした手の先の親指の爪くらい離れたロケットが、隣に怒鳴っても聞えないくらいの轟音を降らせて飛んでいく様子に一発でいかれた笹本は、その後積極的に宇宙開発の現場取材を行うことになります。名目は「いつか書くスペースオペラのため」だったんですが、目の前で取材した宇宙開発はそんなのもどっかに行っちゃうくらい面白かったのです。楽しんで忘れちゃうのはもったいないので書きためた記録が編集の目に留まり、作家による現場取材記録として世に出ることになりました。笹本初のノンフィクションです。