指定暴力団山口組の分裂問題で、離脱する直系組織「山健組」(神戸市中央区)などが新たに結成するとみられる新組織について、新たに暴力団として指定するまで長期間を要する恐れが出ている。指定に必要な要件を満たすかどうかの判断に時間がかかるためといい、専門家は「暴力団の野放し状態が生まれてしまう」と懸念する。 捜査関係者によると、山口組を離脱するのは山健組や宅見組(大阪市中央区)など直系13団体で、各組長が山口組から絶縁や破門処分を受けた。 組員らの活動を規制する「暴力団対策法」に基づく暴力団の指定には、犯罪歴のある構成員の比率が一定以上ある▽暴力団の威力を利用して資金を獲得▽組長を頂点とする階層的な組織を持つ−の3要件がある。 警察当局は新組織への暴力団の指定を検討しているが、どれだけの団体が加わるか不透明で、構成員の全容把握などには相当の時間がかかるとみられる。 暴対法が適用できなければ
