自然保護運動の先駆者でもある博物学者、南方熊楠(1867~1941年)=南方熊楠顕彰館提供 最近、「ミナカタクマグスとかいう人は、なんでもエコロジーを最初に唱えたお方らしいが、この熊楠さんとはどんな人?」と興味をもつ読者が多くなった。 実際、南方熊楠の学問的業績は、あまりに広大すぎて偉さの度合いがよくわからなかった。むしろ、当初はその捉えどころのなさが熊楠への関心を呼んだ一因だった。 しかし、熊楠生誕150周年にあたる本年、事態は変化しつつあるようだ。和歌山県白浜町の南方熊楠記念館に快適な展示ホールが増設され、従来以上におもしろい熊楠の人間性と仕事の紹介が始まった。一方、専門研究の場である同県田辺市の南方熊楠顕彰館では、未整理だった原稿類や英語論文の公開がすすみ、それを基にした新研究が盛り上がっている。 その勢いは出版界にも及んでおり、近著の松居竜五『南方熊楠 複眼の学問構想』(慶応義塾大
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