エネルギーや用紙の高騰、エコ志向、情報通信の加速度的な普及など、印刷を取り巻く環境は厳しさを増している。大量印刷中心のビジネスモデルは縮小せざるを得ないだろう。あるいはインクジェットや電子写真方式のデジタル印刷が主流となる時代が来るかもしれない。 テキスト&グラフィックス研究会では、「最新デジタル印刷とインクジェット技術」として、インクジェット技術の特徴や課題について取り上げた。 インクジェット方式の分類 インクジェット方式は、大別するとオンデマンド方式とコンティニュアスに分けられる。 オンデマンド方式には電気機械変換方式(ピエゾ型)、さらにピエゾ型にはユニモルフ型ピエゾと積層型ピエゾに分けられる。エプソンは、ユニモルフ型と積層型ピエゾを採用している。 また、京セラはユニモルフ型ピエゾ方式を採用している。 電気熱変換方式にはサーマルジェット型(バブルジェット型を含む)がある。 コンティニュ
※本記事の内容は掲載当時のものです。 印刷技術情報 : インキ・ブランケット タックとフロー(016) 【概要】 インキの「流動性」の中のタックとフローの違いがよくわかりません。ある本ではそれぞれの値を増減させる為の補助剤を指定しています。例えば粗面の紙へのベタ刷り不良において、「00ニス」によって対処した場合,この時点でフロー値は増しやわらかくなるとのことですが,タック値は低下しないのでしょうか? また、「タック値の低下=インクはやわらかくなる」とは違うのでしょうか? 【解決方法】 タックとは、印刷インキの粘り気の事です。これが大きすぎると版の汚れ、紙むけなどを生じ、多色刷りの場合(ウェット印刷)トラッピングにも影響します。 次にフローとは、流体として均一な膜に広がろうとするインキの性質です。この数値が大きいほど、フローが良いと考えます。(一定量のインキに一定の圧力を加えると,インキは円
※本記事の内容は掲載当時のものです。 ナンデモQ&A:グラフィックス Q:GCRとUCRとどこがちがうのでしょうか? A:GCR(Gray Component Replacement:グレー成分を置き換え)とUCR(Under Color Removal:下色除去)の基本的な考え方は同じです。UCRはシャドー部分のCMYをスミ版に置き換え、GCRがハイライト部からシャドー部、つまりすべての階調部分のCMYをスミ版に置き換えています。このときCMYをどのくらいの割合でスミ版に置きかえるかで細部の再現が変わってきます。 印刷ではCMYKの4色のインキが重なり合ってカラーを表現しています。しかし、特に高速で運転するオフセット輪転機では、重なった網点の面積率の合計がある一定の%以上になるとうまく刷り重ならないという現象が起こることがあります。そこで、CMYで作られるシャドー部のベタを何割か減らして
長年日本の実質的標準プロファイルとして運用されてきたAdobe社製のICCプロファイルも純日本製の2011プロファイルに変わろうとしている。 ここではJapan Colorについて云々コメントするつもりはないのだが、日本の印刷業にとってAdobeシステムズ社製のJapan Color 2001 ICCプロファイルは非常に大きな役割を果たしたことは事実で、大きな転換点であったといえる。欧米製のプロファイルのほとんど(SWOPやFOGRA)がGCRを多めに設定してあり、日本の墨インキで印刷しようものなら墨が多いので色成分を覆ってしまい、いわゆる墨っぽい仕上がりになってしまうのである。 欧米では墨インキの濃度が薄く、下地の色情報を透過してしまうのだが、ご存じのように日本の墨インキはものすごく濃いので、網点が重なり出すと色情報は完全にマイナスされてしまい、墨の量が多いほど彩度が落ちでしまうという問
【カラマネ極意20】カラーマネジメントのために理解するべきこと もう一度学び直す!! マスター郡司のカラーマネジメントの極意[20] UCRとGCRは中身の理解が肝心 この連載も20回目を数え、『プリンターズサークル』誌とともに次号で終了となる。まだ取り上げたいテーマは山ほどあるが、ここで一回まとめておくこととする。 まずはトラッピングについて復習しておく。ここでのトラッピングはDTPで言うところのニゲ・カブセ処理としてのトラッピングではなく、印刷適性つまりインキ転移特性のことである。そしてこのインキ転移特性改善(普通は印刷適正改善と言う)のために、UCRやGCRを使用してCMYインキをBkインキに置き換えることについては、印刷常識である。 UCRとGCRを厳密に区別することもないと思うが、アナログ時代(今でも新聞などではUCRを使うが、一般的にはGCRの一つとして捉えられている)はグレー
彩度低下はなぜ起こるのか さて、第1回目としてはスミ版について考えて行きましょう。この問題はJAGATのセミナーなどで何度か取り上げていますが、やはり大事なのでこだわりたいと思います。まずトラッピングについて復習しておきます。ここでのトラッピングはDTPで言うところのニゲ・カブセ処理のことではなく、印刷適性つまりインキ転移特性のことを指しています。そしてこのインキ転移特性改善のために、UCR(Under Color Removal)やGCR(Gray-Component Replacement)を使用してCMYインキをスミインキに置き換えるのはご存じですね。 UCRとGCRについてはあまりシャッチョコバッて区別することもないと思いますが、アナログ時代にグレー成分を正確にスミインキに置き換えるのは難しかったので、シャドー部だけCMYインキをスミインキに置き換えて印刷適正改善するものをUC
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