舟を編む 監督 石井裕也 出演 松田龍平/宮崎あおい/オダギリジョー/黒木華 ナンバー 21 批評 ネタばれ注意! 結末に触れています 書物の山に埋もれている、単語の海で溺れている。しかしそれは主人公が自ら選んだ道。常に感覚を研ぎ澄ませ、耳慣れぬ語句に出会うとカードに書きとめ注釈を入れる。言葉に対する好奇心と意味用例に対する探究心は、いつしかマジメで不器用な彼を完璧を目指す編集者に変えていく。物語は何事も辞書に答えを求めていた男が、恋という難題に苦悶し、辞書編纂という大事業の中で成長していく姿を追う。大量の採集カード、積み上げられたゲラの束、そしてあらゆる種類の辞典。カビ臭く埃っぽい「紙」の匂いが漂ってくるような映像は、辞書に魂を捧げた人々の情熱と仕事に没頭できる喜びに満ちていた。 辞書編集部に異動になった馬締は新しい国語辞典「大渡海」作りを命じられる。若者言葉など新語を採用する監修者・松