串カツに特化した居酒屋チェーン「串カツ田中」が変調だ。既存店売上高が5ヵ月連続で前年割れ。2018年6月に全面禁煙に踏み切りファミリー層の獲得を狙ったものの、サラリーマン層の客離れを招き、客単価が低下。禁煙の反動が現れ始めている。(ダイヤモンド編集部 山本興陽) ● 7月の既存店は前年比95.9% とある土曜日の夜、東京都内の居酒屋チェーン「串カツ田中」の店内は家族連れで賑わっていた。子供たちが美味しそうに串カツを頬張る光景を、店外に出た父親がどことなく寂しそうにタバコを吸いながら眺めていた。 業界に先駆けて、串カツ田中が全面禁煙に踏み切ったのは、2018年6月のことだ。当初は業績を不安視する声もあったが、一見好調を維持しているようにも見える。 19年11月期の第2四半期決算では、売上高が約46.8億円、経常利益は約3.8億円といずれも前年同期比で約4割増の増収増益となった。 ところが、全