人が人を「不良品」なんて言ってはいけない。『ワイドナショー』での松本人志さんの発言のことだ。強い言葉に酔うのはやめよう。論旨に理解できるところがあっても、それだけで全てが無効化されてしまう。なぜ人を不良品として扱ってはいけないのかについて書きたい。 かつて日本には「優生保護法」という法律が存在した。1940年に制定された国民優生法が戦後改められ、1948年に優生保護法として施行された。優生を保護するために行われたのは、もちろん劣性の排除。遺伝性と思われる精神疾患、身体疾患に対し、強制的な中絶や不妊手術「優生手術」を行った。まさしく人を不良品扱いした法律だ。もちろん、うちの子と同じ難聴や聾の人たちにもこの優生手術が行われた。 この法律は1996年まで存在していたという。たかだか20数年前。ひどい話だな、と思うかもしれないけれど、もっと驚くのは、この旧優生保護法に違憲判決が出たの今年の5月なこ