問題解決の第3ステップでは,まず「どこ」に問題があるかを特定する。さらに「なぜ」そのような問題が発生するか根本原因を探り出す。そのための有力なツールが因果関係図だ。その作成法を中心に解説する。 土井 哲/インヴィニオ 代表取締役 前回まで,問題解決の第1ステップ「問題の認識」,第2ステップ「重要問題の特定」について述べてきた。今回は問題解決において最も重要である,第3ステップ「問題の構造分析」に話を進める。 構造分析とは,問題が発生しているメカニズムを可視化し,問題の本当の原因,すなわち真因を突き止めることである。まずは,構造分析とはどのようなことなのか,システム・インテグレータのSE麻田君は上司の悠木部長に聞いてみた。 「絞り込み」と「深掘り」が大切 麻田:前回の仮説検証作業を通して,顧客のX社の問題が何であるか分かったと思ったのですが,部長はさらに問題の構造を分析すべきだと指摘しました