いわゆる“ガス抜き”に私は付き合わない。 「最低でも目標を達成させる」メソッドを確立し、営業部門向けコンサルティングで実績を上げ始めた数年前の話である。 営業コンサルティング先の営業担当者から「相談があります」と言われ、居酒屋で一杯やることにした。当時28歳の若い営業だった。営業の仕事にやりがいを感じられず、「やって当たり前」という上司の態度に辟易しているという。 真剣な表情で相談に来たので、当時の私は、ガス抜きしたほうがいいと思い、酒を飲みながら、彼の日ごろの鬱憤を吐き出してもらおうとした。聞き役に回ることで、ストレス解消につながれば良いと思ったからだ。 しかし、飲み始めてすぐに私は困ってしまった。出るは出るは、勘違いフレーズのオンパレードである。テレビの見過ぎか。それとも歌謡曲の聴き過ぎか。 「自分は自分らしくありたい」 「無理にナンバーワンを目指さなくてもオンリーワンであればいい」