なにも予備知識のないスペイン人が、4月27日のJリーグを観戦するとしたら、間違いなくFC東京対川崎フロンターレのカードを選択しただろう。ただ一つ、その理由は「クラシコ」と銘打っているからだ。 スペイン語でいう“El Clasico”とは「伝統の一戦」を意味するもので、世界各地に散らばるナショナルダービーのなかでも特に注目の高いレアル・マドリードとFCバルセロナの試合を意味する。それを考慮すれば、まだJ1優勝の経験もなく、Jリーグ発足10クラブでもない両チームが“クラシコ”を掲げるのは、個人的にはどうなのかと思う。そこまで深く考えずに、営業先行の話題作りを狙ったのだろうが、他のクラブのサポーターも含めた関係者は、このネーミングをどう思っているのだろう。 さて、その多摩川クラシコだが、本場のものと比べれば、この夜の冷たい強風と同様にかなりお寒い内容だった。ゴールシーンだけを見れば、FC東京のル