生前、日本嫌いなのではないかともいわれたスティーブ・ジョブズは、実は日本と深い関わりを持っていた。長年アップルとジョブズを取材してきたジャーナリストの林信行氏が、禅との出会いに始まるジョブズと日本の関係の軌跡をたどる。 2011年10月5日、世界は不世出の偉大な人物を失った。米アップル社の創業者、スティーブ・ジョブズのことだ。 ジョブズは、その死後、1度は潰れかかったアップル社を、わずか15年で時価総額世界一にまで大躍進させた比類なき経営者として大きな注目を集めている。 また名スピーカーとしても名高く、スタンフォード大学で卒業生に向けて行ったスピーチは、世界中の人々を感動させ、日本では高校の英語の教科書のテキストにも採用された。 21世紀初頭という時代をつくった偉人 だが、ジョブズをただの辣腕経営者、名スピーカーとして見るのは狭い見方だ。彼の本当の偉大さは、21世紀初頭という時代の文化や新
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