Mac OS Xの最新バージョン「Lion」は、Apple社が実現しようとしている新しいUIへの挑戦の第一歩である。同社はおそらく、マウスの利用を前提としたこれまでの操作体系から脱却することを目指している。実際、マウスによる操作よりも、タッチ・パッドによる操作に主軸を置いた部分が散見されるからである。 その代表例が、タッチ・パッド上に置いた複数本の指の動きで操作する「マルチタッチジェスチャー」にある。Lionでは、ウインドウ内でスクロールする、ウインドウ内のページを切り替える、ウインドウを移動させるなどのOS上の基本操作を、マルチタッチジェスチャーに割り当てている。 これまでのMac OSでも、マルチタッチジェスチャーは使われていたが、マウス操作の代用としての意味合いが強かった。Lionでは、タッチ操作をマウスの代わりとして考えるのではなく、タッチ操作によるOSのUIとはどうあるべきかを