かつて経済成長目覚しかった頃、経済の発展は同時に環境汚染などの社会問題を生み出し、それに対して批判的な主張が主に左派の側からなされてきた。これについて皮肉なことは、当時の左派による批判の根底に流れていたのは反経済成長主義的な(くたばれGNP的な)思想だったのだが、現実には経済成長に伴う技術進歩が結果として環境汚染を低減する成果を残していったという、その後の流れがそれを反証しているように見えることだ。たしかに、少なくとも公害問題については1970年代の光化学スモッグなどの経験を記憶している身にしてみれば、現在は相当改善されているといった印象を受ける。もちろん、左派やマスコミの突き上げを受けた行政による規制が企業活動を律してきたことも事実だが、それにも増して企業側の対応能力の高さが問題解決に寄与していたこともまた事実だといえそうだ。なぜかメディア的にはあまり目立たない見方のようだが、これは戦後