(2013年3月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) いわゆる「安倍トレード」で、日本株は上昇し、円は大きく下げてきた〔AFPBB News〕 大方の日本人投資家は、通貨を押し下げ、新たな財政刺激策に乗り出す首相の決意を歓迎した。安倍晋三氏が昨年12月に首相に選ばれてから、TOPIX(東証株価指数)は22%上昇し、円相場は大幅に下落した。 そして今後、財務省の元キャリア官僚で新たに日銀総裁に指名された黒田東彦氏が、より積極的な量的緩和策を指揮することになる。 だが、もっと懐疑的な向きもある。構造改革の不足や不利な人口動態、低い生産性、中国、韓国などの近隣諸国からの競争上の脅威を考えると、こうした政策は金利上昇を招く一方、悪影響を相殺する恩恵が見込めないと考えているからだ。 数十年とは言わないにせよ、もう何年も、日本円と日本国債に対する空売りは、損失が膨れ上がるために墓場トレードとして知ら