目で受けた光の刺激を、電気信号で脳に伝える際に重要な働きをするタンパク質を、大阪バイオサイエンス研究所の古川貴久研究部長(神経発生学)らのチームがマウスを使った実験で発見。電気を操るネズミに似た人気アニメキャラクターにちなみ「ピカチュリン」と命名し、21日、米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版に発表した。 ヒトなどのほ乳類の目では、光の刺激が網膜の視細胞で電気信号に変わり、双極細胞を通過して視神経から脳へ伝達される。現在、目の疾患に対してはiPS細胞(人工多能性幹細胞)などで視細胞を作ることはできても、神経伝達回路であるシナプスの形成過程が解明できていないことから、臨床応用は現実的でないとされてきた。 古川部長らは、マウスの実験で視細胞と双極細胞の間をつなぐ視神経の周りに特異的に発現しているタンパク質を発見。光を発して電気を操る人気アニメキャラクター「ピカチュウ」をもじって「ピカチ