日本を代表する名門企業・東芝が崩壊の危機に立っている。米国の孫会社に隠されていた地雷が爆発し東芝が吹っ飛ぶ、という事件が起きた。銀行団から支援を得られるか、瀬戸際の救済策がメディアをにぎわしている。 発端は、東芝が子会社にした原発メーカー・ウェスティングハウス(WH)が2015年末に買収したCB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)という会社だ。報道によると7千億円もの損失が発覚したという。 気が遠くなるような数字だ。東芝は昨年4月、子会社のWHに潜んでいた損失2500億円を処理したばかりだ。1年も経たずに、その子会社で7千億円の損失が露見した。 ◆不可解なやり口 モノづくり企業である東芝が汗して蓄えた資産を買収で手にした米国の子会社・孫会社が食い尽くすという構図である。 不可解なのは、WHがS&Wを買収した時期だ。2015年12月。東芝の粉飾決算が大問題になっていた、ちょうどその時