何年か前、当時の恋人にむかって、封の開いたコンドームの箱を眺めながら「他の子とセックスするときに残りのやつ使いなよー」と何気なく言ったら、ものすごく嫌な顔をされて喧嘩になったことがある。 ずっと、恋愛関係と呼ばれるような他者との親密な契約関係を作るのが苦手だった。それは、少し一般論からずれている自分の感覚を言語化して目の前の相手に伝える努力を怠っていたためである。「わかってもらえない(そしてむしろ煙たがられる)」恐怖に怯え、自分の感覚を隠してきた。だから、16歳以降、まともに人間とお付き合いできたことはなかった。 私は「独占欲がもたらす苦しさ」の人生の優先度を低く設定している。そのため独占欲が結構薄い(ということになっている)。そうすると、同時期に複数の人間と恋愛・性愛関係に至る可能性を持つポリアモリーやオープンリレーションシップという概念に親和性を持ってくる。 【ポリアモリー(polya