さまざまな伝統産業が今も息づく古都・京都で、創業300年を超える堀金箔粉(ほりきんはくふん)(京都市中京区)は、金属箔の製造と販売を続けている。寺社や文化財のほか、食用や美容、先端科学の分野にまで用途は広がった。暮らしに「ハレ」を添え、輝かせている。 「インスタ映え」追い風に 世界遺産・二条城(京都市中京区)のカフェで話題なのが、2年前に発売された黄金ソフト(税込み1200円)だ。約11センチ四方の堀金の金箔をまるごと1枚使い、抹茶ソフトを巻いている。きらびやかな見た目にひかれ、画像投稿サイト「インスタグラム」に載せる人が相次ぐ。嵐山や清水寺でも金箔スイーツが売られるようになった。 「インスタ映えが新たな需要につながった」。2004年から社長を務める堀金10代目の堀智行さん(48)は自信をみせる。 堀金の始まりは江戸中期。近江国・今津から京に上がってきた砂子屋伝兵衛が、幕府から支給された金