クスリに売春…「少年院を出たくない」と言う彼ら彼女らの特殊事情ノンフィクション作家・石井光太が日本社会の深層に迫る! 少年院の子供たちと聞いてイメージするのは、暴力的でいかつい不良少年たちだろう。 しかし、近年の少年院の子供たちのタイプはかなり異なる。むしろ、いじめを受けていたり、障害があったり、不登校だったりする、弱い立場の子たちが多くを占めているのだ。 大阪で、非行少年の更生を支援する『良心塾』の黒川洋司は言う。 「少年院に行くと、中にいる少年たちから『ここを出たくない』と言われることがあるんです。少年院にいれば、安全だし、衣食住を確保できるし、理解者もいる。だから、外に出ないでここにいつづけたいというんです。一時代前は、脱走してでも、一日でも早く出たいという子ばかりでしたから、考えられないことです」 なぜ、自由を求める10代の子供たちが、よりによって少年院に住みつづけたいと考えるのだ