お婆ちゃんのお客さん。 84歳と向こうから年齢を明かしてくれたけど、話しぶりは流暢で元気そう。 僕は戦中生きていた方にはやんわりと体験談を聞いているんだけど、この方は中々凄かったんですよ。 とにかくまず、自分の世代は一番苦労が無かったとしきりに言う。 これはかなり珍しい。 殆どの方は辛い時代だったと語るし、普通に考えてその通りだと思う。 でもこのお婆ちゃんは違った。 お婆ちゃん「私よりも上の世代は大変だったんだけど、私はちっとも苦労していない」 こう語る。 お婆ちゃん「戦争中だって食べ物が無くて困ったのは終戦間際の少しの間だけで、それまでは今と変わらない普通の生活をしていたんだよ」 僕「そうは言っても末期には爆弾だって降ってきたんじゃないですか?」 お婆ちゃん「それだって別に毎日あったわけじゃないのよ。数ヶ月に1、2回」 お婆ちゃん「終戦前後は確かに大変だったんだけど、私はまだ子供だったか