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2022年12月19日のブックマーク (5件)

  • 創作で、キャラを分裂させて自己葛藤を描くときに重要になる「フェアさ」とは何なのか。 - うさるの厨二病な読書日記

    *独自解釈に基づく話です。 *この記事には、ドラマ「Nのために」と漫画「アスペル・カノジョ」のネタバレが含まれます。 www.saiusaruzzz.com 「アスペル・カノジョ」は何かに似ていると思って、思い出したのがドラマ「Nのために」だ。 www.saiusaruzzz.com 自分の中ではこの二作は、両方とも「自分が持つ『生きづらさ』から避難するために一時的に分裂していた『自己』を、統合させる過程の話」だ。 「アスペル・カノジョ」では、メタ横井が自身の生きづらさを仮託した恵を切り離すことで、とりあえず作内の横井を生き延びさせた。 「Nのために」では、希美が生きるために捨てた「母親を捨てたい気持ちと捨てる罪悪感」を、西崎が引き受けている。 「この二作は似ている」ということは後から思いついたのに、感想ではまったく同じことを書いている。 「アスペル・カノジョ」の感想*1は 自分はこの物語

    創作で、キャラを分裂させて自己葛藤を描くときに重要になる「フェアさ」とは何なのか。 - うさるの厨二病な読書日記
  • 【大河ドラマ「鎌倉殿の13人」感想】「義時、本当にお疲れ様」それしか出てこない。 - うさるの厨二病な読書日記

    *ネタバレ注意。 ついに終わってしまった。「鎌倉殿の13人」が。 あれほど様々な人が出てきて、色々なことがあったにも関わらず、「鎌倉殿の13人」は自分にとっては最初から最後まで義時の物語だった。 伊豆の名のない家の次男坊に生まれて、気がいいだけの父親と気宇壮大な兄、気の強い姉と妹に挟まれて、家の中でさえ目立たない地味な存在だった。 義村が最後にぶちまけていたように、冴えない真面目であることだけがとりえの、その真面目ささえも、時に空気の読めなさや不器用さとして出てしまうような男だった。 表向きのことは人付き合いのいい父親や人を惹きつける明るさのある兄が引き受け、面倒な裏方のこと、細かいことは全部押し付けられる。それも「自分はこういう人間だから」と特に不平不満も言わずに損な役回りを引き受ける、そういう男だった。 立ち位置が変わっても、義時はずっと変わらなかった。 「おなごは皆きのこが好き」と言

    【大河ドラマ「鎌倉殿の13人」感想】「義時、本当にお疲れ様」それしか出てこない。 - うさるの厨二病な読書日記
  • 「変な家」「変な絵」で有名な雨穴のミステリー「謎解きモキュメンタリー動画」の感想まとめ。 - うさるの厨二病な読書日記

    変な家 作者:雨穴 飛鳥新社 Amazon 「変な家」で有名な雨穴のYouTube動画を何か見たので、感想のまとめ。 ★【奇妙なブログ】消えていくカナの日記(17:54) 見た中では一番面白かった。 内容はシンプルで雨穴の話にしてはオチに捻りないが、むしろそこが良かった。 他の話は自分の好みからすると趣向を凝らしすぎなのかなあと感じた。 ★とある一軒家で見つかった、不気味なビデオテープの真相 (49:00) 動画ではなくオモコロの記事で読んだ。 オチはツッコミどころが多いが、中盤までは安定の面白さだった。 ★【ミステリー】人形に録音された、子供の声の謎(49:58) これも面白かった。 オチが若干リアリティがないかなと思うが、全体的に見ると全然許容範囲。 子供の絵が小道具に使われているが、見ようによっては怖いということに気付いたところが凄い。 ★異形の牢獄 (10:32) だいたい想像通

    「変な家」「変な絵」で有名な雨穴のミステリー「謎解きモキュメンタリー動画」の感想まとめ。 - うさるの厨二病な読書日記
  • 映画「容疑者Xの献身」を通算五回は観ている人間の、超個人的物語解釈&泣きポイント。 - うさるの厨二病な読書日記

    記事には映画「容疑者Xの献身」のネタバレがあります。ご注意下さい。 容疑者Xの献身 福山雅治 Amazon 映画「容疑者Xの献身」*1を見るのは、通算五回目くらいだ。 この話の個人的な解釈を以前noteに書いたが、今回観て少し考えが変わった部分もあるのでもう一度考えを整理して書きたい。 映画「容疑者Xの献身」は、石神の信仰と殉教の物語。 原作「容疑者Xの献身」は、湯川と石神という二人の天才の才能がぶつかり合う、湯川が主人公のミステリーである。 映画「容疑者Xの献身」は、同じ筋だが描いていることはまったく違う。映画は石神を主人公とした信仰と殉教の物語である。 石神がルサンチマンに陥らなかったのは、元々の性格もあるだろうが、靖子という神に出会い信仰に目覚め救われたからだ。 石神が靖子に抱いた、自分も他人も犠牲にしその犠牲を全て自分が被るような献身的な恋(信仰)は、深い絶望からしか生まれない

    映画「容疑者Xの献身」を通算五回は観ている人間の、超個人的物語解釈&泣きポイント。 - うさるの厨二病な読書日記
  • 【映画感想】芦田愛菜主演「星の子」 社会と教団に共通する構造を、新興宗教信者二世の少女の視点を通して暴く傑作 - うさるの厨二病な読書日記

    映画「星の子」のネタバレがあります。未視聴のかたはご注意下さい。 星の子 芦田愛菜 Amazon 現在、元首相殺害事件に関連して「宗教二世問題」が注目されている。 自分が見たところでは、「星の子」は「宗教二世問題」ではなく、*1それをモチーフにしてまったく別のことを描いている。 この話で最も重要なのは、ちひろ視点で見た時の伯父の言動の頓珍漢さ 「ひかりの星」の胡散臭さを的確に見抜き、ちひろの母親やちひろを懸命に信仰から引き離そうとする伯父一家が、ちひろの視点で見ると頓珍漢なことを言う話が通じない人たちに見える。 この話で最も重要な点は、ここではないか。 なぜ伯父一家が滑稽に見えるかと言うと、一点を除いてはちひろの両親と伯父一家は大きくは変わらないからだ。 ちひろの視点が揺れ動くため、両親は、ある時は「生ゴミのような臭いがしておかしなことを言っている」ように見え、ある時は家族の絆を感じさせ

    【映画感想】芦田愛菜主演「星の子」 社会と教団に共通する構造を、新興宗教信者二世の少女の視点を通して暴く傑作 - うさるの厨二病な読書日記