責任はわしが取る 1962年、44歳で大蔵大臣に就任した田中角栄さんが、官僚たちの前でした就任演説は、名演説として、あまりにも有名です。 「私が田中角栄だ。尋常小学校高等科卒業である。諸君は日本中の秀才であり、財政金融の専門家ぞろいだ。私は素人だが、トゲの多い門松をたくさんくぐってきて、いささか仕事のコツを知っている」 「一緒に仕事をするには互いによく知り合うことが大切だ。われと思わんものは誰でも遠慮なく大臣室にきてほしい。なんでも言ってくれ。上司の許可を得る必要はない」 「出来ることはやる。出来ないことはやらない。しかし、すべての責任はこの田中角栄が背負う。以上!」 かっこいい。男として素直にそう思います。こんな上司のもとで働けたら幸せ。「よし、思いっきりやってやるぞ」と腹の底から力が湧いてきそうです。 しかし、「責任は俺が取る。お前たちは思い切ってやれ」そう言ってくれる上司が今どれだけ