もうずいぶんと前から、この世が肌に合っていないのを痛烈に感じている。 例えるなら「居心地の悪い飲み会にずっと居るような、早く帰りたくてたまらないような」気持ち。 家で一人で蕎麦とか食べてるときは良いんだけど、いざ自分が社会の中に放り込まれると途方もなく「何故、我ここに身をば置く」と思って重力に負けそうになってしまうのだ。 そんなもんだから「ムンク展が開催されるぞー!」と聞いたときは、あの徹頭徹尾不運だったムンクは、代表作以外をどんなふうに描いたんかな? とちょっと楽しみだった。彼はきっと、この世が肌に合っていないタイプの人間だと思ったからだ。 しかし実際展覧会に行ってみると、ムンクは完全にこの世に絶望しているわけではなさそうだった。 強いて言うなら、陰キャだった。 ※記事中の会場写真は美術館に許可を得て撮影したものです。 不憫だけど鬱ではない(気がする) 微かにひそむロマンティシズムと生命