市に文書を寄贈した石田さん(右)と感謝状を贈呈した丹後政俊・丹波篠山市教育長=2021年5月14日午後1時36分、兵庫県丹波篠山市和田で 兵庫県丹波篠山市の石田榮代さん(88)がこのほど、代々受け継がれてきた17―20世紀にかけての古文書「石田家文書」を同市に寄贈した。江戸時代には村の庄屋などを務めた石田家の文書は約4100点という膨大な量で、近世から近現代にかけての地域の様子を知る上で第一級の史料。石田さんは、「祖父や父が大切にしてきたもの。寄贈できて肩の荷が下りたよう」と安堵した。同市の中央図書館に移して調査を進め、同市が行っている市史編さん事業に活用する。 石田家は和田村庄屋のほか、畑組の大庄屋、郡取締役などを務め、近代には畑村長も輩出した家。文書の中には歴代の当主が記した職務上の日記などが数多く含まれる。 江戸末期の万延元年(1860)に記された日記には、一揆を起こして石田家に押し