日付が変わったころに仕事を終えて、だらだらとスマホをいじったり会社のスピーカーで音楽を流したりしているうちに1時間経って、自転車に乗ってのろのろと家路につく。 道中、うずくまる人たちや、帰るタイミングを見失った人たちが何人かで笑い声を上げているところを横切る。夜はみんな無防備になるようで、後ろから自転車が迫っているのにほとんど気づかない。人を轢いても怒られない世界だったらいいのになと思いつつ彼らの横をすり抜ける。 23時の風景と深夜1時の風景はずいぶんと違う。夜半の1時は店の明かりも落とされて人もまばらで、みんな夜の暗がりに消えてしまったようだ。消え残りの人間が自転車の進行の邪魔をする。よもや自分が轢かれて死ぬなんて考えてもいないだろう。 腹が減る。何も食べていない。だけどコンビニではなくてどこか店で済ませたい。幸い自宅の近くは店がわりとあるので記憶を頼りにうろうろする。 いつも遅くまでや