この世には二種類のタイプがいてね。 夢を見ている人間と、醒めている人間。この世にある諍いの九割は、この両サイドによる争いだと私は見ています。 夢を見ているってどういうことかってね、その夢見てる内容なんてどうでもいいんですよ。きれいな夢でなくてもいい。要は自分の内側、あるいは自分の閉じた世界に充足の種を見いだせる生活をしてるってことね。他人ってものに目がいっていないのが、こちらのタイプの根本的欠陥ですね。 逆に「醒めてしまった」人は、その閉じた世界から自ら、あるいは何らかの強制によって足を洗った人なんですね。 夢から覚めると、寒風吹きすさぶ場所にひとりで立っているってのがよく見えるんですが、人ってなかなかそんな状況に長くは耐えられないんですね。だから醒めた人はそっから必死で目をそらして、秩序を求める方向に走ります。ある価値観を共有するコミュニティに居場所を求め、そのなかの年功序列とか力関係と