1.緒言 このテキストをつくっている2005年現在においても、オタクという言葉を侮蔑的な意味合いで用いる人は後を絶たない。オタクという言葉に籠められるニュアンスは、残念ながら肯定的なものは少なく、否定的なものが大半を占めている状況は今も昔も変わりない。2chにおけるオタという言葉の用法などを見ていると、最早オタクという言葉はオタク趣味の有無とは無関係の、単なる差別用語として流通しつつある印象さえ否めない。 今回は、しばしば単なる差別用語と化してしまった「オタク」という言葉が投げかけられがちな、差別されやすいアクションについて検討してみようと思う。差別用語としてのオタクという言葉のニュアンスは、オタク然とした趣味を持ったオタクを差別する言葉というよりは、むしろある種の特徴を持った人達をひとくくりにしてゴミ箱に放り込む為に用いられている傾向があり、必ずしもオタク趣味を持った人達全てを指すような