元調教師・秋山雅一が教えるレースの裏側 「走る馬にはワケがある」 連載◆第7回 競馬のレースを見ていると、カラフルな覆面のようなものをつけていたり、鼻面や頬にボア生地の細長いパットを装着していたりする馬を見かけることがある。それらは矯正馬具(馬特有の気性難を解消するための馬具)と言われ、競走馬がレースできちんと力を発揮するために重要な役割を果たす。今回は、そうした矯正馬具のことについて、元調教師の秋山雅一氏に解説してもらった。 マスクの目穴の周りにカップを取りつけて、馬の視界を制限するブリンカー。――まず、レースや調教でよく使われている矯正馬具にはどんなものがありますか。 秋山 主なものは、ブリンカー、チークピーシズ、シャドーロール、パシュファイヤー、そしてメンコの5つです。それぞれ、馬の視野を狭めたり、聴覚を制限したりするために使います。なぜ、そうしたことが必要になるのか、矯正馬具の用途