一九五六年に成立した売春防止法は、「売春が人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗をみだすものである」という基本的な視点に立脚して制定された。公娼(こうしょう)制度を否定した法律として、当時としては画期的な法律とうたわれたが、五〇年以上たった現在、売春女性のみを罰し、買春男性は野放し状態であること、婦人相談員を都道府県知事や市長が社会的信望と職務を行うに必要な熱意と識見を持っている人に委嘱し、非常勤であるとしていることなどの問題点がある。二〇〇九年七月の国連女性差別撤廃委員会からも、女性のみの罰則問題は改正することを勧告されている。(一)DVや性暴力など、あらゆる暴力に「女性の人権侵害」として取り組むこと。(二)保護命令の発令を迅速化すること。二四時間無料のホットラインを開設すること。(三)移民女性及び弱い立場の女性たちに対して質の高い支援を行うこと。(四)刑法において性暴力犯