帝人は24日、消防服や防弾チョッキなどに使われているアラミド繊維を用い、放射線を遮蔽する織物とアラミドペーパーをそれぞれ開発したと発表した。ポリエステルなどの汎用(はんよう)繊維より高強度でありながら柔軟性と加工性に優れ、鉄板やコンクリートなどでは難しい形状でも利用可能なのが特長。5月上旬からサンプルの提供を始め、放射線量が高い場所での使用を想定した防護服やシート材などの用途を中心に市場を開拓する。 帝人グループが製造・販売する2種類のアラミド繊維「テクノーラ」「トワロン」に、レアメタル(希少金属)の一種で放射線を遮蔽するタングステンの粒子を混ぜ合わせた。一般に、高比重の金属を繊維に配合して製糸するのは困難とされているが、紡糸法を工夫するなどして実現したという。 放射線を遮蔽する材料としては比較的安価な鉛が使われることが多いが、人体や環境への悪影響が懸念され世界的に規制の動きがある。このた