私は精神科が専門の医師ですが、約10年前から「産業医」を中心に仕事をしております。 現在、約20社の会社の産業医を担当し、多数のビジネスパーソンの心身の健康をサポートしています。その中でコロナ禍を経て、働く人のストレスが減ることなく、どんどん高まっている状況をひしひしと感じています。(「はじめに」より) 『「会社がしんどい」をなくす本』(奥田弘美 著、日経BP)の著者は、ビジネスパーソンを取り巻く精神的な状況についてこのように明かしています。 産業医として担当している会社の社員と面談をすると、 「リモートワークの影響で体は楽になったけれど、同僚や上司とうまくコミュニケーションがとれなくなった」 「相談相手がいないため、問題を抱え込むことが増えた」 「人と合わなくなって孤独感が強くなった」 などと打ち明ける人が少なくないというのです。 だとすれば重要なのは、「いまは元気だったとしても、これか
