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  • 患者由来iPS細胞の肝臓難病モデル

    理化学研究所(理研)バイオリソース研究センターiPS細胞高次特性解析開発チームの林洋平チームリーダー(筑波大学医学医療系教授(連携大学院))、宋丹研修生(筑波大学大学院人間総合科学研究科博士課程)(研究当時)、東京都医学総合研究所再生医療プロジェクトの宮岡佑一郎プロジェクトリーダー(東京医科歯科大学大学院連携准教授、お茶の水女子大学大学院客員准教授)、高橋剛研究員、筑波大学医学医療系の小田竜也教授、鄭允文准教授(研究当時)らの共同研究グループは、肝臓難病であるウィルソン病[1]の患者から樹立したiPS細胞[2]を肝臓の細胞に分化させ、その病態を培養皿中で再現することに成功しました。 ウィルソン病はATP7B遺伝子の変異によって起こり、体内に不要な銅が蓄積するために、肝臓や脳などを中心に全身性の障害が生じる疾患です。研究成果は、ウィルソン病や肝機能障害の新たな治療法開発につながると期待でき

    患者由来iPS細胞の肝臓難病モデル
  • 人の会話が理解できるAIをつくる

    人は社会生活において、言語を使って情報を共有したり知識を蓄積したりしています。近年、急速に身近な存在となっているAIが、人が日常的に使用している言語(自然言語)を理解できるようになれば、私たちの生活はより便利で豊かなものとなるはずです。そこで、「自然言語を理解できるAI」の研究開発に取り組んでいるのが、乾 健太郎チームリーダー(TL)です。 AIにおける最大の難問 近年、人が話しかけると"それなり"の返事をしてくれるAIを搭載したロボットや電子デバイスが身近なものとなってきている。今や一般的になったAI自動翻訳ツールを使っていると、私たちはAIが言葉をかなり理解していると錯覚しがちだが、実は「このような文章は、このように翻訳する」といった手となる翻訳例のデータを大量に読み込み、学習したパターンに基づいて翻訳しているにすぎない。このようなAIが学習するために使う大量のデータを「教師データ」

    人の会話が理解できるAIをつくる
  • 放射光施設でLEDが壊れる?その原因を解明

    大型放射光施設「SPring-8」は、SDGsや2050年カーボンニュートラル達成に向けた研究を支える施設で、施設のグリーン化も積極的に進めています。しかし、その過程で意外なところにネックがあったのです。高エネルギーの電磁波である放射線にさらされると、長寿命のはずのLEDが数カ月で点灯しなくなってしまいました。田中 均グループディレクター(GD)らはその原因を究明し、驚くほど簡単な解決方法を見いだしました。 放射線環境下ではLEDが使えない?! 施設のグリーン化の一環として、SPring-8でも、蛍光灯からLEDへの置き換えを実施している。ところが、加速器トンネル内のLEDは数カ月ですべて故障してしまった。強い放射線(X線)の影響と考えられたが、当時、LEDのメーカーでさえそのような故障が起きるとは認識しておらず、原因も分からなかった。田中GDはその原因を探ろうとチームを立ち上げた。 そん

    放射光施設でLEDが壊れる?その原因を解明
  • 伊藤 弘昌客員主管研究員がKenneth J. Button Prizeを受賞

    伊藤 弘昌客員主管研究員(光量子工学研究センター テラヘルツ光源研究チーム)がKenneth J. Button Prizeを受賞しました。 Kenneth J. Button Prizeは、赤外線、ミリ波、テラヘルツ波に関する科学への顕著な貢献に対して、毎年1名に、国際会議IRMMW-THzにおいて授与されるものです。 受賞業績 先進的なレーザー、非線形光学結晶、波長可変テラヘルツ波発生器、高感度検出器の開発への先駆的な貢献 受賞者のコメント THz波研究を東北大学電気通信研究所でスタートし、理研での研究はちょうど25年になります。 独自の手法に基づき、発展させてきた研究が世界に認められ、大変光栄に感じています。これも共に研究を行った多くの人との結果であり、可能にした理研に深く感謝しています。 関連リンク IRMMW-THz 2022 Button Prize

    伊藤 弘昌客員主管研究員がKenneth J. Button Prizeを受賞
  • トリプシンを分解する腸内細菌の同定に成功

    理化学研究所(理研)生命医科学研究センター消化管恒常性研究チームの李 優先基礎科学特別研究員(研究当時)、田賢也チームリーダー(慶應義塾大学医学部微生物学・免疫学教室教授)、新幸二客員主管研究員(慶應義塾大学医学部微生物学・免疫学教室准教授)、かずさDNA研究所ゲノム事業推進部の川島祐介ユニット長らの国際共同研究グループは、タンパク質を分解する消化酵素の一つであるトリプシンを分解するヒト腸内細菌を同定し、このトリプシンの分解が細菌やウイルスなどの病原体の感染防御に寄与していることを突き止めました。 研究成果は、腸内細菌が口から侵入してきた細菌やウイルスが引き起こす感染症に対する予防・治療への新たな創薬シーズとなり、新しい医薬品の開発につながると期待できます。 今回、国際共同研究グループは、プロテオーム解析[1]・ノトバイオート解析[2]を利用して、腸内細菌と宿主タンパク質の相互作用の網

    トリプシンを分解する腸内細菌の同定に成功
  • 励起一重項と三重項のエネルギー逆転を実現

    理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター創発超分子材料研究チームの相澤直矢基礎科学特別研究員(研究当時)(現大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻助教)、夫勇進チームリーダー(山形大学大学院有機材料システム研究科特任教授)、情報変換ソフトマター研究ユニットの宮島大吾ユニットリーダー、北海道大学創成研究機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)・同大学院理学研究院化学部門前田理教授らの共同研究グループは、一重項励起状態[1]と三重項励起状態[1]のエネルギーが逆転した発光材料を実現しました。 研究成果は、教科書を書き換える発見であるとともに、理想的な有機EL[2]材料の実現に向けたマイルストーンになると期待できます。 1925年に提案されたフントの規則は、同一の電子配置において最大のスピン多重度を持つ状態が最低エネルギーを持つと予言しています。従って、スピン三重項励起状態はスピン一

    励起一重項と三重項のエネルギー逆転を実現
  • 分子サイズの世界を明るく照らす超高強度X線集光ビームをX線フラッシュ顕微鏡に応用 | 理化学研究所

    分子サイズの世界を明るく照らす超高強度X線集光ビームをX線フラッシュ顕微鏡に応用 -SACLAにおいて世界最高分解能の2ナノメートルを達成- 高輝度光科学研究センタービームライン技術推進室の湯博勝主幹研究員、小山貴久主幹研究員、大橋治彦主席研究員、北海道大学の鈴木明大准教授、西野吉則教授、理化学研究所放射光科学研究センターSACLAビームライン基盤グループの矢橋牧名グループディレクターらを中心とする共同研究グループは、X線自由電子レーザー施設SACLAにおいて、原子レベルの精度をもつ集光ミラー(反射鏡)により超高強度X線ビームを生み出しました。これを用いた世界最高分解能の超高速のX線フラッシュ顕微鏡を実現しました。 研究グループは、集光ミラー作製技術を向上することで、従来よりも高効率にX線の強度を増やすことができる特殊なX線集光ミラーを開発しました。これを用いて、理論通りの集光サイズ(

  • 赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけの科学

    理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター親和性社会行動研究チームの大村菜美研究員、黒田公美チームリーダーらの国際共同研究グループは、科学的根拠に基づく赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけのヒントを発見しました。 研究成果は、赤ちゃんの泣きに困る養育者のストレスの軽減や、虐待防止につながると期待できます。 黒田公美チームリーダーらは2013年、親が赤ちゃんを運ぶとおとなしくなる「輸送反応[1]」をマウスとヒトにおいて発見しました。しかしこの研究では、運ぶ時間が約20秒間と短く、かつ運ぶのをやめると赤ちゃんは再び泣き出すという課題がありました。 今回、国際共同研究グループは、赤ちゃんが泣いているとき、母親が抱っこして5分間連続で歩くと、泣きやむだけでなく、約半数の赤ちゃんが寝付くことを発見しました。また、親の腕の中で眠った赤ちゃんをベッドに置くとき、赤ちゃんが目覚めやすいのは親から体が離れるタイ

    赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけの科学
  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症機構の一端を解明 | 理化学研究所

    京都大学大学院理学研究科 関山直孝 助教、児玉高志 同研究員(研究当時、現:大阪大学蛋白質研研究所)、杤尾豪人 同教授、理化学研究所放射光科学研究センター 高場圭章 基礎科学特別研究員、眞木さおり 同研究員、米倉功治 グループディレクター(東北大学多元物質科学研究所 教授を併任)らの共同研究グループは、筋萎縮性側索硬化症(ALS: Amyotrophic lateral sclerosis)の発症に関わる機構として、T-cell intracellular antigen-1(TIA-1)のプリオン様ドメインに生じるアミノ酸変異が高密度な凝縮構造を形成することがその一因となっていることを解明しました。 細胞質に形成されるストレス顆粒(SGs)の主要な構成因子の一つであるTIA-1は、特定の立体構造を持たない天然変性タンパク質領域であるプリオン様ドメイン(PLD)を持ちます。TIA-1のPL

  • 素子間の結合による超伝導電流の非局所制御に成功

    理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター量子機能システム研究グループの松尾貞茂基礎科学特別研究員、樽茶清悟グループディレクターらの国際共同研究グループは、並列に配置された2の半導体ナノ細線[1]上に二つの「ジョセフソン接合[2]」を形成し、ジョセフソン接合間にコヒーレント結合[3]が存在することを示す「非局所ジョセフソン効果」の観測に初めて成功しました。 研究成果は、量子情報処理技術の基盤となるジョセフソン接合に関する新しい制御手法を提案するものであり、新機能超伝導素子の開発、超伝導量子ビット[4]間の結合の形成への応用が期待できます。 ジョセフソン接合は二つの超伝導体[5]が絶縁体や常伝導体を介して弱くつながっている素子のことで、近年発展の著しい超伝導量子コンピュータ[6]開発において主要な役割を担うと期待されています。ジョセフソン接合の新しい制御手法として、近距離に配置された二

    素子間の結合による超伝導電流の非局所制御に成功
  • 窒素化合物の選択的化学変換

    理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター生体機能触媒研究チームの中村龍平チームリーダー(東京工業大学地球生命研究所(ELSI)教授)、大岡英史研究員、何道平国際プログラム・アソシエイト(研究当時、現東京工業大学地球生命研究所(ELSI)研究員)らの国際共同研究グループは、一つの固体触媒[1]から複数の窒素化合物を選択的[2]に合成することに成功しました。 研究成果は、環境汚染を引き起こす亜硝酸イオン(NO2-)を無害化し、目的に応じた窒素化合物を選択的に合成する化学プロセスの確立に貢献すると期待できます。 亜硝酸イオンを還元すると、一酸化窒素(NO)や一酸化二窒素(N2O)、アンモニア(NH3)、窒素(N2)などさまざまな化合物が生成します。これらは、化学産業を支える重要な化合物である一方、さまざまな化合物が混ざってしまうと化学合成への利用が困難になります。そのため、これまで欲しい化

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  • 日本全国の子ども(小中高生)を対象とした「子ども睡眠健診」プロジェクトを開始

    理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター合成生物学研究チームの上田泰己チームリーダー(東京大学大学院医学系研究科機能生物学専攻システムズ薬理学教室教授)らは、全国の子ども(主に小中高生)を対象として、ウェアラブルデバイスを用いた児童・生徒の睡眠測定を実施し、日の子どもの睡眠実態の把握と、子ども・保護者に対して睡眠衛生に関する理解増進を推進する「子ども睡眠健診」プロジェクトを開始しました。10月22日(土)にキックオフシンポジウムをオンライン開催します。 背景 これまで上田チームリーダーらは、人々の睡眠に関するデータを大規模に取得し、将来的に睡眠測定を日常的に行って健康増進につなげる取り組み(睡眠健診運動)を推進してきました。成長期の子どもにとっての睡眠は、学力や体力、心身の健康の保持増進などに重要であることが示されており注1)、社会的関心も高まっています。これまで、産業界での従業員の

    日本全国の子ども(小中高生)を対象とした「子ども睡眠健診」プロジェクトを開始
  • 炭素はどのようにしてつくられたのか

    私たちの体にも植物にも炭素はたくさん含まれています。この炭素という元素、そもそもどのようにしてつくられたのでしょうか。その解明のために、スーパーコンピュータ「富岳」で原子核の構造を計算したのが阿部喬協力研究員(以下、研究員)らです。研究開始から10年余り、これまでの理論物理の常識を覆す発見がありました。 誰も答えにたどりつけなかった難題 138億年前にビッグバンが起きたとき、宇宙に存在した元素は、ほぼ、水素とヘリウムだけ。核子(陽子と中性子)でできた原子核が衝突を繰り返し、核子数の多い元素がつくられてきた。英国の天文学者フレッド・ホイルは核子が12個の炭素について「核子が4個のヘリウムが3個合体する過程で生じる不安定状態があるはず」と1954年に予言した。後に、「ホイル状態」と呼ばれるようになったが、その構造は謎だった。 図1 炭素の原子核の成り立ち 陽子2個と中性子2個のヘリウムの原子核

    炭素はどのようにしてつくられたのか
  • ゲノム編集で遊泳不全ミドリムシの作出に成功

    理化学研究所(理研)科技ハブ産連部バトンゾーン研究推進プログラム微細藻類生産制御技術研究チームの石川まるみテクニカルスタッフⅡ、野村俊尚研究員(環境資源科学研究センターバイオ生産情報研究チーム研究員)、玉木峻研究員、鈴木健吾チームリーダー(株式会社ユーグレナCTO)、持田恵一副チームリーダー(環境資源科学研究センターバイオ生産情報研究チームチームリーダー)、光量子工学研究センター先端レーザー加工研究チームの尾笹一成特別嘱託研究員、環境資源科学研究センター質量分析・顕微鏡解析ユニットの豊岡公徳上級技師らの研究グループは、ミドリムシの産業利用種Euglena gracilis[1](以下、ミドリムシ)の遊泳不全ゲノム編集[2]株の作出に初めて成功しました。 研究成果は、品やバイオ燃料などの原料として産業利用されているミドリムシの生産効率向上に貢献すると期待できます。 産業利用する藻類の生

    ゲノム編集で遊泳不全ミドリムシの作出に成功
  • 大腸がんの「ゲノム医療」に貢献

    理化学研究所(理研)生命医科学研究センターがんゲノム研究チームの藤田征志上級研究員(研究当時)、中川英刀チームリーダー、基盤技術開発研究チームの桃沢幸秀チームリーダー、東京大学医科学研究所の村上善則教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科松田浩一教授、埼玉県立がんセンターがんゲノム医療センターの赤木究センター長らの共同研究グループは、世界最大規模となる大腸がん患者を含む日人集団36,000人以上のDNAを解析し、日人遺伝性大腸がんの原因遺伝子・発症リスク・臨床的特徴を明らかにしました。 研究成果は、日人の遺伝性大腸がんの診断および患者一人一人に合った治療を行う「ゲノム医療」に貢献すると期待できます。 大腸がんは日人の罹患数が部位別に男性で3番目、女性では乳がんに続いて2番目に多いがんです。乳がんや前立腺がんなどと同様に、大腸がん患者の数%は一つの「病的バリアント[1]」が発症原因

    大腸がんの「ゲノム医療」に貢献
  • 悪性リンパ腫の大規模ゲノム解析

    2022年9月6日 理化学研究所 東京大学 愛知県がんセンター 岡山大学 国立がん研究センター 佐々木研究所附属杏雲堂病院 理化学研究所(理研)生命医科学研究センター基盤技術開発研究チームの碓井喜明特別研究員、桃沢幸秀チームリーダー、東京大学医科学研究所人癌病因遺伝子分野の村上善則教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻クリニカルシークエンス分野の松田浩一教授、愛知県がんセンターがん予防研究分野の松尾恵太郎分野長、岡山大学病院長(大学院医歯薬学総合研究科血液・腫瘍・呼吸器内科学分野)の前田嘉信教授、国立がん研究センター中央病院遺伝子診療部門の吉田輝彦部門長、佐々木研究所附属杏雲堂病院遺伝子診療科の菅野康吉科長らの共同研究グループは、日の2,000人以上の悪性リンパ腫[1]患者群と非がん対照群を用いた世界最大規模の症例対照研究[2]を行い、悪性リンパ腫の中に単一遺伝子

    悪性リンパ腫の大規模ゲノム解析
  • 硫黄の化学状態を50ナノメートルの高分解能で捉える計測技術を確立 | 理化学研究所

    東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センターの高橋幸生教授(理化学研究所放射光科学研究センターチームリーダー)と石黒志助教(理化学研究所放射光科学研究センター客員研究員)、東北大学大学院工学研究科の阿部真樹大学院生(理化学研究所放射光科学研究センター研修生)、住友ゴム工業株式会社の金子房恵博士(東北大学多元物質科学研究所助教)と岸浩通博士、理化学研究所放射光科学研究センターの初井宇記チームリーダー、高輝度光科学研究センターの為則雄祐室長らの共同研究グループは、SOPHIAS検出器の新規開発等を通じて、干渉性(コヒーレンス)に優れたX線を用いて物質の微細構造と化学状態を高分解能で観察する「X線タイコグラフィ」の計測を硫黄やリンなどのK吸収端が含まれるテンダーX線のエネルギー領域で実施可能なシステムを大型放射光施設「SPring-8」において初めて確立し、50ナノメートル(nm、1

  • 再充電可能なサイボーグ昆虫

    理化学研究所(理研)開拓研究部染谷薄膜素子研究室の福田憲二郎専任研究員(創発物性科学研究センター創発ソフトシステム研究チーム専任研究員)、染谷隆夫主任研究員(同チームリーダー)、早稲田大学大学院創造理工学研究科総合機械工学専攻の梅津信二郎教授、シンガポール南洋理工大学の佐藤裕崇准教授らの国際共同研究グループは、光エネルギーで再充電可能な電源ユニットを含む電子部品を搭載したサイボーグ昆虫を開発しました。 研究成果は、昆虫の寿命が続く限り、電池切れを心配することなく、サイボーグ昆虫の長時間かつ長距離の活動を可能にすることから、その用途の拡大に貢献すると期待できます。 エレクトロニクスの進歩により、生物と機械の統合が進み、特に都市型捜索救助、環境モニタリング、危険地域の検査などの用途に、行動制御モジュールを備えたサイボーグ昆虫が提案されています。 今回、国際共同研究グループは、厚さ4マイクロ

    再充電可能なサイボーグ昆虫
  • 理化学研究所科学講演会(2022年度)

    理化学研究所は研究活動を紹介する機会として、毎年科学講演会を開催しています。昨年、一昨年とオンライン開催となりましたが、今年はオンラインと理化学研究所和光地区でのハイブリッド開催で実施します。 講演会では新型コロナウイルスの新しい検査法と、体外で生体内環境を再構築する研究開発、そしてヒトゲノムがもたらす社会について紹介します。 現地参加には事前予約が必要です。また、会場では理研グッズの販売や理研ギャラリーの公開も行います。 オンラインは予約不要でご視聴いただけます。 ぜひご視聴ください。

    理化学研究所科学講演会(2022年度)
  • 非平衡フォノン環境が生み出すスピンダイナミクス

    理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター量子電子デバイス研究チームの黒山和幸特別研究員(研究当時、現東京大学生産技術研究所助教)、量子機能システム研究グループの松尾貞茂基礎科学特別研究員、樽茶清悟グループディレクターらの国際共同研究グループは、非平衡フォノン[1]環境下に置かれた半導体二重量子ドット[2]中の電子スピン[3]のダイナミクスを実時間で観測することに成功し、フォノン励起により駆動されるスピン反転現象の統計を初めて明らかにしました。 研究成果は、固体物質中の熱電変換[4]の微視的メカニズムの解明や、半導体などのナノ構造で実現されるミクロな熱機関の重要な知見となる可能性があり、将来的には、熱電変換素子の高効率化やスピンにより制御された熱機関デバイスの開発などに貢献すると期待できます。それにより、ナノスケールの集積電子デバイスにおいて喫緊の課題である、排熱を制御・有効利用する熱

    非平衡フォノン環境が生み出すスピンダイナミクス