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  • 細胞死を引き起こすサヨナラ遺伝子

    理化学研究所(理研)生命機能科学研究センタ ー動的恒常性研究チームのユ・サガン チームリーダー(理研 開拓研究部 Yoo生理遺伝学研究室 主任研究員)、池川 優子 大学院生リサーチ・アソシエイトらの国際共同研究グループは、過去20年以上にわたってショウジョウバエ[1]には存在しないと考えられていた細胞死[2]を引き起こす遺伝子[3]を発見し、「サヨナラ遺伝子」と命名しました。 研究成果は、従来の定説を覆す発見であり、細胞死の制御機構の普遍性について新たな概念を提示するものです。 細胞死の代表的なものとして、アポトーシス(細胞の自殺)[2]があります。アポトーシスについては従来、線虫[4]・ショウジョウバエ・哺乳類(マウス・ヒト)を用いた研究によりそのメカニズムが解明されてきました。その結果、線虫・ショウジョウバエ・哺乳類で、アポトーシスの起こる仕組みは非常によく似ている一方で、なぜかシ

    細胞死を引き起こすサヨナラ遺伝子
  • 谷口 雄一チームリーダーが第5回(2022年度)晝馬輝夫 光科学賞を受賞

    谷口 雄一 チームリーダー(生命機能科学研究センター 細胞システム制御学研究チーム)が第5回(2022年度)晝馬輝夫 光科学賞を受賞しました。 晝馬輝夫 光科学賞は、日の光科学の基礎研究や光科学技術の発展に貢献する研究において、独自に独創的な研究業績をあげた45歳未満の研究者に与えられる賞です。授賞式は年3月7日に行われる予定です。 受賞業績 「3次元1分子蛍光イメージング技術の開発」 コメント この度は光科学分野において大変名誉ある賞を頂けることになり、誠に嬉しく思っております。 これを励みに私たちが進めている未来の画期的な医療技術の創出を目指した取り組みをさらに加速させて参りたいと思います。 関連リンク 公益財団法人 光科学技術研究振興財団

    谷口 雄一チームリーダーが第5回(2022年度)晝馬輝夫 光科学賞を受賞
  • 植物油脂の合成には葉緑体と小胞体の酵素が協調して働く

    理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター 植物脂質研究チームの中村 友輝 チームリーダーらの研究チームは、植物の酵素LPPα2とLPPε1[1]が協調して油脂[2]の合成と植物体の成長に重要な役割を果たすことを明らかにしました。 研究成果は、代謝改変技術[3]によりバイオディーゼル[4]などの有用な化合物を植物体内で合成する技術開発に貢献すると期待できます。 細胞内では、油脂は小胞体[5]において合成され、フォスファチジン酸フォスファターゼ(PAP)[6]が油脂合成の鍵段階の反応を触媒すると考えられてきましたが、植物ではこの酵素の実体は長らく不明でした。 今回、研究チームは、モデル植物のシロイヌナズナ[7]に存在する多くのPAP酵素の候補から、LPPα2とLPPε1の二重破壊株が死に至ることを発見し、これらの酵素が協調して油脂の合成を担っているという仮説を立てました。これらの酵素が存

    植物油脂の合成には葉緑体と小胞体の酵素が協調して働く
  • 培養ゲルを適材適所に

    理化学研究所(理研)開拓研究部 萩原生体模倣システム理研白眉研究チームのカシナン・スッティワニット 特別研究員、萩原 将也 理研白眉研究チームリーダーの研究チームは、ピペット操作で簡単に複数の細胞周囲環境を空間的に制御する技術を開発しました。 研究成果は、現在世界中で開発が進められているミニ臓器(オルガノイド)[1]をより高次形態に成長させることを可能にするもので、創薬や再生医療に貢献すると期待できます。 従来、オルガノイドは全方位均一な条件下で培養して作られることから、球状あるいはランダム方向の分岐を持つものがほとんどであり、体内の形態とはかけ離れているという問題がありました。 今回、研究チームは、3Dプリンターを用いてL字型のフレームを持つ培養器を作製し、異なる性質を持つ複数のゲル(マトリゲル[2]など)を、表面張力を利用して空間的に自在の位置に配置するキューブ型の培養プラットフォ

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  • 常温で水の核スピンの向きをそろえる

    核磁気共鳴分光法(NMR)は医療や化学など、幅広い分野において欠かせない技術です。原子核が持つ「核スピン」という自転のような性質から得られる信号を利用して、物質の分子構造などを観測します。これを医療に応用した磁気共鳴イメージング(MRI)では、体内にある"水"の核スピンの信号を画像化し、脳梗塞やがん細胞を診断します。しかし、核スピンから得られる信号の弱さが課題でした。このような中、MRIの性能向上を図る上で、特に難しいと言われていた、常温での水分子の核スピンの信号強度を高める新たな技術の開発に成功したのが、西山 裕介 ユニットリーダーと立石 健一郎 研究員です。 (右)西山 裕介(ニシヤマ・ユウスケ)科技ハブ産連部 バトンゾーン研究推進プログラム 理研-JEOL連携センター ナノ結晶解析連携ユニット ユニットリーダー (左)立石 健一郎(タテイシ・ケンイチロウ)開拓研究部 上坂スピン・

    常温で水の核スピンの向きをそろえる
  • ユーグレナの眼点をつかさどる色素を同定

    理化学研究所(理研)科技ハブ産連部 バトンゾーン研究推進プログラム 微細藻類生産制御技術研究チーム[1]の玉木 峻 研究員、鈴木 健吾 チームリーダー(株式会社ユーグレナ CTO)、持田 恵一 副チームリーダー(環境資源科学研究センター バイオ生産情報研究チーム チームリーダー)、光量子工学研究センター 先端レーザー加工研究チームの尾笹 一成 特別嘱託研究員らの研究チームは、微細藻類のうち、ユーグレナ藻類の一種であるユーグレナ・グラシリス[2](Euglena gracilis、以下ユーグレナ)の色素(以下カロテノイド[3])の組成が異なる変異体をゲノム編集技術によって作出し、ユーグレナの眼点(光を感じる器官)における光認識に必要なカロテノイドを同定しました。 研究成果によって、ユーグレナ体内のカロテノイドの機能およびカロテノイドを合成する経路に関する新たな知見が得られました。これらの

    ユーグレナの眼点をつかさどる色素を同定
  • K中間子と陽子が織りなす風変わりなバリオンを測定 | 理化学研究所

    2023年1月27日 大阪大学 高エネルギー加速器研究機構 理化学研究所 日原子力研究開発機構 東北大学 J-PARCセンター 大阪大学 核物理研究センターの井上 謙太郎 特任研究員、川崎 新吾 特任研究員、野海 博之 教授(高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 特別教授)、高エネルギー加速器研究機構、理化学研究所、日原子力研究開発機構、東北大学電子光理学研究センター、J-PARCセンター、イタリア国立原子核研究所、ステファンメイヤーサブアトミック物理学研究所他からなる研究グループは、K中間子と陽子から直接Λ(1405)粒子を合成し、その複素質量の直接測定に世界で初めて成功しました。 詳細は大阪大学 核物理研究センターの報道発表資料をご覧ください。 報道担当 理化学研究所 広報室 報道担当 お問い合わせフォーム

  • 新たな若手研究者育成・支援策の実行について | 理化学研究所

    理化学研究所(理研)は我が国唯一の、また世界有数の総合的な基礎科学の研究所として、人類が抱える諸課題に果敢に取り組み、人類社会の持続可能な発展と成長に貢献し、それを通じて日の信頼を高めることを目指して活動してまいりました。 理研だからこそできる、理研でなければできないことの実現に向けて、「RIKEN's Vision on the 2030 Horizon」の方針を掲げ、新たな理研の研究人材育成のあり方を提案しています。日国内はもとより、世界の卓越した研究者たちが集い、つながることで、未来を託すに足る優れた次世代の研究者・技術者が育ち、理研が国際頭脳循環の場として更に飛躍することを目指しています。 このたび、この方針に基づき、とりわけ若手研究者の育成支援を強化するために、以下の新たな取り組みを実行することに致しました。 さまざまな世代の研究者の力を最大限引き出し、支援する制度の構築 理

  • 老化T細胞が老化・炎症を引き起こす仕組みを解明

    理化学研究所(理研)生命医科学研究センター 免疫シグナル研究チームの今西 貴之 上級研究員、齊藤 隆 チームリーダーらの国際共同研究グループは、T細胞[1]が老化するメカニズム、および老化T細胞が引き金となって炎症性老化(インフラマエイジング)[2]を発症する機構を明らかにしました。 研究成果は、老化と加齢性疾患の新たな治療法の開発に貢献すると期待できます。 RIPK1は、さまざまな自然免疫[3]受容体の下流で、細胞の生存と細胞死を制御することが知られるリン酸化酵素で、最近、その欠損患者では重度の免疫不全と炎症性疾患を発症することが報告されました。 今回、国際共同研究グループは、T細胞特異的にRIPK1を欠損させた(RIPK1-tKO)マウスを用いて、T細胞におけるRIPK1の機能解析を行いました。その結果、RIPK1を欠損したT細胞は早期に炎症性老化が誘導され、この老化T細胞が引き金と

    老化T細胞が老化・炎症を引き起こす仕組みを解明
  • 水素社会の鍵を握る「水素吸着材料」

    脱炭素に向けて、水素エネルギーを利用する計画が着々と進んでいます。水素社会の実現には、水素の貯蔵材料の開発が重要な鍵になります。理研と産業界が一体となって連携するバトンゾーン研究推進プログラムでは、従来の高性能活性炭の2倍量の水素を吸着できる材料を発見。水素の貯蔵材料の開発へと大きく前進しました。 水素の利用に不可欠な「貯蔵」の技術 2050年までに温室効果ガスの排出を実質的にゼロにすることを目指すカーボンニュートラルに向けて経済産業省が策定した「グリーン成長戦略」。その中で、水素は成長が期待される14の重点分野の一つに挙げられている。利用時に二酸化炭素を排出しない水素をエネルギーとして利用するには、さまざまな技術開発が必要だ。気体の水素を利用するには、水素をつくる、運ぶ、使用する、どの段階でもいかに効率よく水素を貯蔵できるかが鍵を握る。それには「圧縮」「吸蔵」「吸着」の方法があり、チーム

    水素社会の鍵を握る「水素吸着材料」
  • 多価イオンの新分光法を実証

    理化学研究所(理研)開拓研究部 東原子分子物理研究室の木村 直樹 研究員、久間 晋 専任研究員、東 俊行 主任研究員、電気通信大学 レーザー新世代研究センターのプリティ 特別研究員(研究当時、現 核融合科学研究所 COE研究員)、中村 信行 教授らの共同研究チームは、多価イオン[1]の新分光手法「時間分解プラズマアシストレーザー分光[2]」を実証し、原子のエネルギー準位[3]のごく小さな分裂である超微細構造[3]の観測に成功しました。 研究成果は、原子、原子核、プラズマ[4]など幅広い分野において、多価イオン分光を用いた新しい研究展開をもたらすと期待でき、特に次世代の原子時計[5]の候補として期待される多価イオン原子時計[5]の開発に向けて、貴重な分光測定値を提供します。 今回、共同研究チームは、電子ビームイオントラップ(EBIT)[4]という実験室プラズマ[4]の中で準安定状態[6]

    多価イオンの新分光法を実証
  • グルコシノレート分解酵素の液胞への輸送を可視化

    グルコシノレート分解酵素の液胞への輸送を可視化 -光-電子相関顕微鏡法を用いて、新たな酵素輸送経路を発見- 理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター 技術基盤部門 質量分析・顕微鏡解析ユニットの豊岡 公徳 上級技師、後藤 友美 テクニカルスタッフⅡ、平井 優美 ユニットリーダーらの研究チームは、最先端の電子顕微鏡技術を駆使し、シロイヌナズナの側部根冠[1]ではグルコシノレート[2]の加水分解酵素(β-グルコシダーゼ[3])が、小胞体(ER)[4]から分化し膨らんだ「ERボディ[5]」と呼ばれる細胞小器官により、小胞体からゴルジ体[4]を経由せずに、直接液胞[4]へ輸送されることを明らかにしました。 研究成果は、植物の成長、根圏の生体防御や土壌微生物との共生関係などの解明に貢献すると期待できます。 これまでシロイヌナズナの葉では、ERボディ内のβ-グルコシダーゼと液胞内のグルコシノレー

    グルコシノレート分解酵素の液胞への輸送を可視化
  • 理研DAY:研究者と話そう!「切っても元通りにくっつくゴムの不思議~新素材を生む触媒開発~」

    理研は、オンラインで研究者と直接話ができるイベント「理研DAY:研究者と話そう!」を、2月24日18:00-18:30に開催します。 みなさんは「触媒」って知っていますか?私たちの身の回りにあるプラスチックやゴムなどは分子量がとても大きく、「高分子材料」と呼ばれ、多くの高分子材料は触媒を使って作られています。プラスチックのように固いものからゴムのように柔軟性があるものなど、高分子材料がどのような機能を持つかは、触媒で決まるとも言えます。これまでになかった新しい材料を作るため、触媒の開発が世界中で活発に行われています。私たちは、開発した「希土類金属触媒」を用いて、切っても元通りにくっつく、自己修復性を示す不思議なゴムの開発に成功しました。 今回の理研DAYでは、触媒の開発経緯や自己修復性を示すゴムの構造としくみについて紹介します。ぜひZoomに参加してください!

    理研DAY:研究者と話そう!「切っても元通りにくっつくゴムの不思議~新素材を生む触媒開発~」
  • トポロジカル絶縁体で電気磁気効果を初めて観測

    理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター 強相関量子伝導研究チームの川村 稔 専任研究員、十倉 好紀 チームリーダー(東京大学 卓越教授/東京大学 国際高等研究所東京カレッジ)、強相関界面研究グループの川﨑 雅司 グループディレクタ―(東京大学大学院 工学系研究科 教授)、強相関理論研究グループの永長 直人 グループディレクタ―(東京大学大学院 工学系研究科 教授)、東京大学大学院 工学系研究科の森 高裕 准教授、東北大学 金属材料研究所の塚﨑 敦 教授(理研 創発物性科学研究センター 強相関界面研究グループ 客員主管研究員)らの共同研究グループは、磁性トポロジカル絶縁体[1]の積層薄膜における電気磁気効果[2]を初めて観測しました。 研究成果は、トポロジー(位相幾何学)を利用した新しいタイプの電子輸送に関する基原理を実証したものであり、トポロジカル物質の応用研究への展開が期待で

    トポロジカル絶縁体で電気磁気効果を初めて観測
  • 光受容によるリボソーム生合成関連遺伝子の翻訳活性機構

    理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター 合成ゲノミクス研究グループの栗原 志夫 研究員(研究当時、現 客員研究員)、赤木 千佳 研修生、松井 南 グループディレクターらの共同研究チームは、植物では、翻訳装置であるリボソーム[1]の生合成などに関わる遺伝子群の翻訳の活性化に「青色光を情報として正常に伝達する機能」と「正常な葉緑体機能」の両方が必要であることを明らかにしました。 研究成果は、植物の新たな成長制御の解明につながると期待できます。 これまで、青色光を受容することによる植物の遺伝子発現は転写と翻訳の両レベルで制御されていることが分かっていましたが、翻訳レベルの発現変動がどのように制御されているかは分かっていませんでした。 今回、共同研究チームは、通常の培地にまいた青色光を受容できなくさせたシロイヌナズナの変異体の種子と、葉緑体機能阻害剤を添加した培地にまいた野生型の種子をそれ

    光受容によるリボソーム生合成関連遺伝子の翻訳活性機構
  • トポロジカル絶縁体で電気磁気効果を初めて観測

    理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター 強相関量子伝導研究チームの川村 稔 専任研究員、十倉 好紀 チームリーダー(東京大学 卓越教授/東京大学 国際高等研究所東京カレッジ)、強相関界面研究グループの川﨑 雅司 グループディレクタ―(東京大学大学院 工学系研究科 教授)、強相関理論研究グループの永長 直人 グループディレクタ―(東京大学大学院 工学系研究科 教授)、東京大学大学院 工学系研究科の森 高裕 准教授、東北大学 金属材料研究所の塚﨑 敦 教授(理研 創発物性科学研究センター 強相関界面研究グループ 客員主管研究員)らの共同研究グループは、磁性トポロジカル絶縁体[1]の積層薄膜における電気磁気効果[2]を初めて観測しました。 研究成果は、トポロジー(位相幾何学)を利用した新しいタイプの電子輸送に関する基原理を実証したものであり、トポロジカル物質の応用研究への展開が期待で

    トポロジカル絶縁体で電気磁気効果を初めて観測
  • 心房細動の遺伝的基盤を解明

    理化学研究所(理研)生命医科学研究センター 循環器ゲノミクス・インフォマティクス研究チームの伊藤 薫 チームリーダー、宮澤 一雄 訪問研究員、東京大学大学院 医学系研究科の小室 一成 教授、野村 征太郎 特任助教、伊藤 正道 特任助教、東京大学大学院 新領域創成科学研究科の鎌谷 洋一郎 教授、京都大学大学院 医学研究科の沖 真弥 特定准教授、国立長寿医療研究センターの尾崎 浩一 メディカルゲノムセンター長(理研 生命医科学研究センター 循環器ゲノミクス・インフォマティクス研究チーム 客員主管研究員)らの共同研究グループは、大規模なゲノムデータから心房細動[1]のゲノムワイド関連解析(GWAS)[2]を行い、疾患の遺伝的基盤に基づく新しい知見を明らかにしました。 研究成果は、心房細動の病態解明から新しい治療ターゲットの同定に加え、個人のゲノム情報に基づく精密化医療[3]の実現に貢献すると期

    心房細動の遺伝的基盤を解明
  • 「和光市子ども科学教室」を開催しました

    理研では、子どもたちの科学教育に関する取り組みに協力しています。2022年12月22日に、「和光市子ども科学教室」(主催:和光市教育委員会)が理研和光地区で開催され、埼玉県和光市在住の小学4年生~6年生の19名が参加しました。 今年のテーマは「レーザーって何だろう?」。光量子工学研究センター 光量子制御技術開発チームの斎藤 徳人 上級研究員が講師を務め、最初に光と色、レーザーについての説明を行った後、簡易分光器を使って電球などの身近な光を観察したり、レーザー光で目に見える色と実際の光の色の違いを確かめました。子どもたちは、講師からの質問に積極的に手を挙げ答えていました。最後に斎藤 上級研究員から子どもたちへ、「普段の生活の中で気になることや考えることを大切にし、追及、探求をしていってほしい」というメッセージがありました。

    「和光市子ども科学教室」を開催しました
  • 悪玉脂質を産生する腸内細菌が肥満を悪化させる

    理化学研究所(理研)生命医科学研究センター 粘膜システム研究チームの大野 博司 チームリーダー、竹内 直志 特別研究員(研究当時)らの共同研究チームは、「トランス脂肪酸[1]」など健康を害する脂質を産生する腸内細菌が肥満や高血糖などの代謝疾患を悪化させることを発見しました。 研究成果は、特定の腸内細菌がその産生物質(代謝物[2])を介して私たちの代謝機能やその異常に深く関与していることを示しており、今後、腸内細菌やその産生物質をターゲットとした肥満に対する新しい治療の創出に貢献すると期待できます。 腸内細菌は、肥満・糖尿病といった代謝疾患に深く関与していることが知られています。一方、どの腸内細菌が、どのように肥満・糖尿病を悪化させるか、そのメカニズムは明らかになっていませんでした。 今回、共同研究チームはFusimonas intestini[3]という細菌に着目し、同細菌が肥満・糖尿病

    悪玉脂質を産生する腸内細菌が肥満を悪化させる
  • 人工冬眠が臓器のダメージを防ぐ可能性

    心臓や大動脈などの手術では、血流を一時的に止めなければならない場合があります。しかし血流の停止は腎臓などの臓器に大きな負担をかけ、さまざまな合併症の引き金となります。2022年、動物を冬眠に近い状態に置くという画期的な方法で、血流停止時の臓器ダメージを防げる可能性が新たに示されました。今後、さまざまな実験を重ね、ヒトへの応用を目指します。研究を主導した升 英利 上級研究員と砂川 玄志郎 チームリーダーに話を聞きました。 生命機能科学研究センター (左)升 英利(マスモト・ヒデトシ) 個体パターニング研究チーム 上級研究員(臨床橋渡しプログラム・升研究室 研究リーダー) (右)砂川 玄志郎(スナガワ・ゲンシロウ) 冬眠生物学研究チーム チームリーダー 超低体温法の問題点への挑戦 「従来、血流の停止を伴う心血管手術では、25~28℃程度まで体温を下げ、代謝を低下させることで低酸素状態の臓

    人工冬眠が臓器のダメージを防ぐ可能性