米銀シティグループのビクラム・パンディットCEO=最高経営責任者=(52)は、銀行の生き残りを懸けて、前任者らが築き上げた金融帝国の解体を進めている。 シティは13日、証券部門スミス・バーニーの経営権をモルガン・スタンレーに譲る方向であることを明らかにした。事情に詳しい複数の関係者によれば、消費者金融部門のシティファイナンシャルも売却予定に入っており、自己勘定取引部門も縮小する計画だという。 ≪成功はありえず≫ パンディット氏が前任のサンフォード・ワイル氏とチャールズ・プリンス氏からシティ帝国を引き継いで1年1カ月。この約1年でシティは200億ドル(約1兆7790億円)の赤字を計上し、米政府から450億ドルの公的資金受け入れを余儀なくされた。パンディット氏は、半年前に自らが「真に世界的規模のユニバーサルバンク」と呼んだ帝国の解体に乗り出した。 シティ株を保有するスミス・アセ