ポケットベル(ポケベル)は特定の手順によって、電波で小型受信機(通信機器)に合図を送る通信機器で、1990年代にブームを迎えた。 実物を見たことも触ったこともない私は、ポケベルは“過去の遺物的なアイテム”だと思っていた(ごめんなさい)。なので、いまだにサービスが続いていたことにまず驚いた。どうやら関東のみで1500回線が主に医療関係の現場で最近まで使われていたのだとか。 そして、2019年の9月末にその役目をひっそり終えた。この記事は、ポケベル葬に密着したレポである。 「ポケベル葬」当日。 東京・秋葉原のビルの下で、プラカードを持って立っているメイドさんと出会った。秋葉原でメイドさんはよく見る光景ではある……が、持っているプラカードの文字がおかしい。「みんなのポケベル葬」と書いてある。「みんなのポケベル葬です。どなたでも献花できますのでどうぞ」と誘導されるままビルの方へ向かう。 階段を上る