コンビニ経営では日々、弁当など食品の廃棄ロスがあり「罪悪感があった。バチが当たるなと思い、地球に良いことをしたいと思っていた矢先だった」と山下社長。29年にはネットで知った佐々木教授のもとを訪ね、技術協力の約束が得られたことから事業化を決断した。 山下社長は、(1)カイロの回収(原材料の仕入れ)(2)鉄粒の加工(製造)(3)鉄粒の販売-というビジネスモデルを考案。企画書を携えてビジネスセミナーなどに顔を出し、アイデアを披露することで協力者が増え、会社の資本金を寄付してくれる人も現れた。早ければ4月中にも、東大阪市にある協力者の工場の空きスペースを間借りする形で新工場を立ち上げ、量産体制を整える予定だ。 事業化に向けては、鉄粒の原材料となる使い捨てカイロをいかにして仕入れるかが課題だ。山下社長は「メーカーから不要なカイロを引き取ったり、コンビニやドラッグストアの店頭で使用済みカイロを回収した