『ブロークン・ブリテンに聞け 社会・政治時評クロニクル 2018ー2023』が講談社文庫より発売になりました。 2020年に発売された単行本の内容に加え、2020年から2023年までに様々な媒体(朝日新聞、NTT労組新聞、図書新聞、映画パンフレットなど)に書いた社会・政治コラムも含まれた増補版になっております。装幀も一新されて(デザインは単行本と同じく川名潤さん)の文庫版です。砂鉄さんに帯文をいただきました。よろしくお願いします!
<EU残留派、離脱派の双方の意見は大きく食い違っていた。離脱派はロンドンのエリート層に対して怒りをおぼえ、彼らに指示されるのはお断りだと考えていた> イギリスのデービッド・キャメロン首相が2013年に、次回総選挙で自身の率いる保守党が勝利すれば、イギリスのEUからの離脱(ブレグジット)の是非を問う国民投票を行うと約束したとき、僕は単純明快にこう思った。本当にそんなことをすれば国民は離脱に投票するに違いない、と。EUはいいものだと言うイギリス人を、僕はほとんど見たことがない。むしろEUへの怒りや批判の声が大半だった。 もちろん僕はジャーナリストとして、反対の「残留派」の意見をあえて聞く必要があった。探してみれば、残留派はけっこうちゃんといた。EUにまあまあ乗り気、という人もいるにはいたが、もっと多かったのは「概して」「仕方なく」「知った悪魔だから」EU残留のほうにしておこう、という声だった。
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