公共図書館における高齢者サービスの利用の有無について,利用者が持つ過去の経験や個人の価値観,性格,ライフスタイル,心理,図書館側の問題が関係していることが示唆されてきた.しかし,これらの要因による利用,非利用の選択の詳細な関係は十分に明らかにされてこなかった.そこで,本研究では,公共図書館における高齢者サービスの利用を妨げる要因について,高齢者サービスの主たる利用者として想定されている高齢者の認識を問う聞き取り調査から明らかにした. その結果,公共図書館における高齢者サービスの利用には,特に,高齢期以前に形成された公共図書館へのイメージが影響していることが示された.加えて,高齢者サービスの非利用者には,非利用を選択している者と非利用にならざるを得なかった者が存在し,後者は電子図書館等のサービスに関心を持っており,利用にかかる習熟機会を提供することで利用につながる可能性が示唆された.

