私が通っているパソコンスクールでのこと。そこは各種資格を取れるスクールで、一クラス10名ばかりの生徒たちはパネルで区切られたデスクでそれぞれ、真剣な表情でパソコンと向き合っている。 取り組む内容は各自異なり、ワードやエクセル、なにやらややこしそうな計算など、個々に難題に突き当たると講師にそのつど指導してもらうというシステムだ。 ある日、ひとりの女性が難題を自力で乗り越えられず、講師に教えを仰いでいた。それがまたたく間に講師への苛立ちに変っていく様を、9人の生徒が聞くともなしに聞いていた。 「なんでこうなるんでしょう?」 途方に暮れながらデスクトップを睨みつけ、講師に問う女性の気持ちは私にもよく分かった。私もまたパソコンには「なんで?」の連続だったからだ。女性は続けた。 「何がわからないかを一から説明するのは大変だから、先生、見て、判断してください」 その気持ちもよく分かる。「ここがこうなっ