【北京=関泰晴】中国の国際問題専門紙「環球時報」(英語版)は21日、世界的に大ヒット中の米SF映画「アバター」の上映規模が中国で大幅縮小され、22日以降は国産映画「孔子」に切り替えられる、と報じた。 共産党が文化宣伝に利用する思想家・孔子を描く愛国的な国策映画を優先しようと、中国当局の意向が働いたとみられる。 中国で1月4日に上映が始まった「アバター」は、これまで5億元(約70億円)を超える興行収入を記録。計2500か所の映画館で2月末まで上映予定だった。しかし、当局に監督される映画配給各社は「客足が順調なのは3D(立体)版のみ」として、全体の3分の2に及ぶ通常版の21日上映打ち切りを決めたという。 同紙は「配給を突然変更するのは異例」とする配給会社幹部の見解を紹介。地方都市では3D版の上映がない映画館も多いため、不満を抱く市民がネットで「孔子ボイコット」を呼びかけた、と伝えている。