さて、読書感想文的なタイトルを付けてはみたものの、本の内容にはほとんど触れずに終わるかも知れない。 と云うのも、私がこの本を手に取った主な理由は、本書で語られる「セカイ系」について知りたかったからではないからだ。単純に、自分と同世代で(というかこの人同い年)、かつオタクとしてエヴァブームを体験し、その後もオタクを続けている著者が、一体どのようにしてエヴァを受け止め、どのようにしてその後のオタク文化の中を歩んできたのか、そしてそれをどう捉えているのか、率直に知りたかったというのが第一の動機だ。 私自身、オタクを自負する人間だが、本書で挙げられている「セカイ系」を代表する作品や、その周辺に位置する作品群には、残念ながらほとんど触れたことがない。そのため、「セカイ系」について知りたいという意識自体が希薄であり、オタク文化のメインストリームからは外れており、本書のターゲットとする類の人間ではないか
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