「拘置所の父と対話できるなら『私、こういう人生だったんだよ』と自著を読んであげたい」と語る松本麗華氏 当時、11歳にして教団トップに次ぐ地位を与えられ、オウム真理教の教祖・麻原彰晃の後継者とされた三女、アーチャリー。 その彼女が、本名による手記の出版に踏み切った。31歳になった今、ベールに包まれていた胸中を赤裸々にさらけ出した『止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記』。 はたして、オウム真理教とはなんだったのか? 今なお、答えにたどり着けずにいる問題に対するヒントがここにあるはずだ。著者の松本麗華(りか)氏を直撃した。 ■接見した父の変わり果てた姿 ―手記の発表に合わせて、メディアに登場する機会が増えていますね。こうして取材を受けることに抵抗はありませんか? 松本 報道に苦しめられてきたのは事実ですが、信頼できるマスコミの方との出会いもありました。これまで人間関係に苦しんできた一