公正取引委員会が昨年度、不当廉売の恐れがあるとして「注意」を行った件数は1155件に上り、8年ぶりに前年を上回った。今年度は行政指導にあたる「警告」を出す事案も起きており、公取委は「放置すれば、最終的には消費者の不利益になる」と警戒を強める。 「キャベツ1個1円」「大根1本1円」「キュウリ3本3円」――。愛知県犬山市のスーパー2店は今年5月、複数の野菜を1円で販売していた。2店は約2キロ離れているが、片方が4月下旬に新規開店すると、安売り競争が次第に過熱。通常90円程度の野菜を20円、5円と徐々に値下げし、5月11~18日には連日、野菜6~7品目を1円で販売するに至った。