教育学部における、教員養成を目的としない課程。その再編、見直しが迫られている。教員免許取得を目指さない教育学部の存在は、社会の中でどのような役割を担ってきたのだろうか。そして廃止は、社会にどのような影響をもたらすのだろうか。 教育学部の機能を概観し、これまで果たしてきた役割、そしてこれからの社会で果たす役割について勝野正章教授に聞いた。 教育学部には、旧師範学校の流れをくむ教員養成を目的としたコースのほかに、教員免許の取得を卒業要件としない、いわゆる「ゼロ免課程」と呼ばれる課程があります。ゼロ免課程を卒業した人は、地元の一般の企業などに就職して会社員になるといった進路を選択しています。今年6月、文部科学省は人文社会系学部、教育学部の廃止を盛り込んだ通知を出しました*。この中では、ゼロ免課程を廃止することが一つの柱となっています。この背景にあるのは子どもの数の減少ですが、本音は国の財政的な負