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  • 短編小説:ありのママ【美姫さんvs結婚式①】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    美姫さんvs結婚式① 今日は、おじいちゃんからの呼び出しがあった。 「そういえば、この前写真を整理していた時に、美姫さんの結婚式のDVDがあったんだよ。」と嬉しそうに話すおじいちゃん。 でもおばあちゃんを見ると苦笑いの様子。 おじいちゃんは、僕の返事も聞かず、DVDをプレーヤーにセットした。 「楽しみだな。」とおじいちゃん。「夕べも見ていましたよ。」とおばあちゃんが言うもおじいちゃんの耳には届いていない。ニッコニコしながら、DVDの再生が始まるのを待っている。 程なくしてDVDの再生がはじまった。 まずは、結婚式からだった。 チャペルの入り口に立つ美姫さんとおじいちゃん。DVDの中のおじいちゃんはすでに号泣していた。その横でものすごく不機嫌そうな美姫さん。 「ショウくん、美姫さん綺麗だろう。」とおじいちゃんは言った。おじいちゃんはDVDを再生してまだ数分しか経っていないのに涙目になっていた

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  • 短編小説:ありのママ【美姫さんvs先生】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    美姫さんvs先生 風邪菌と話し合いが終わった美姫さんが部屋から出てきた。 いつになく、フラフラだ。 「どうだった?。」とお父さんが聞くと「今回も、すぐに出て行くって*1。」と美姫さん。明らかに嘘だ。ただ、病院に行きたくないだけだと思う。 「話し合いで体力を使ったから、少し寝る。」と美姫さんは言い、寝室へ行った。 お父さんがその様子を見て「広瀬さん(美姫さんの幼馴染でお医者さん)に来てもらうか。」と言い、広瀬さんに電話をかけた。 広瀬さんは二つ返事で、直ぐに僕の家にやってきた。 「美姫も、人の子だったんだね。」と嬉しそうな広瀬さん。 風邪の症状別の薬を出してくれ、少し脱水をおこしていたのと熱が高かったために点滴を始めてくれた。 「話し合いはついたんだから、薬は飲まないよ。」と美姫さん。お父さんが、美姫さんの事の中に薬を混ぜていた。 子どもかよ……。 点滴をするのもかなり渋っていたが、身体が

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  • 短編小説:ありのママ【美姫さんvs風邪】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    美姫さんvs風邪 いつものリビングのソファーの定位置に美姫さんがいない。 お父さんに「美姫さんは?。」と僕が聞くと「風邪をひいたらしいよ。」とお父さんが答える。 「いつもの?。」と僕が聞くと「そう、いつもの。」とお父さんが返す。 美姫さんは、風邪をひくと風邪菌と戦うべく部屋にこもり、精神統一を始める。それがいつもの美姫さんの風邪の時の習慣。 その間、美姫さんに話しかけてはダメなのだ。気が乱れるらしい。 美姫さんいわく、心の中で風邪菌に身体の中から出て行くようにまずは説得を始める。 優しい言葉で穏やかに、諭すように話してあげるのが一番。例えば、「風邪様、私の身体から出た方がよろしいですよ。」とか「風邪さん、私の身体にいても何のメリットもございませんよ。」とか話してあげるらしい。 それでも出て行かない時には、出て行くように交渉をする。風邪菌との交渉はまず、身体の中からスムーズに出て行ったら、こ

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  • 短編小説:ありのママ【美姫さんvsにおい】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    美姫さんvsにおい 「うぎゃ―――――。」 朝から、ビックリして目が覚めてしまった。お父さんの声だ。 慌ててお父さんの寝ている寝室に向かう。 「どうしたの?。」と僕が寝室のドアを開けるとスプレータイプの消臭剤をお父さんに向かってふりかけている美姫さんの姿がそこにはあった。 「美姫さん、冷たいよー。」とお父さん。 「だって、こうちゃん、変なにおいがするんだもん。」と美姫さんは言いながら、シュッシュッとお父さんに消臭剤をふりかけている。 「それ、人にかける物じゃないだろう。」とお父さん。 「大丈夫だよ。お子さまにもペットにも安全って書いてあったから。」と美姫さん。 良く見るとお父さんは、少し濡れた感じになっていた。相当かけられたのだろう。 「それに、の臭いも箱の臭いもトイレの臭いもとってくれるんだよ。だから、こうちゃんのにおいもとれるはずだよ。」と美姫さん。 箱ととトイレの臭いと比べら

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  • 短編小説:ありのママ【美姫さんvs普通】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    美姫さんvs普通 美姫さんは、“普通”という言葉が大嫌い。 テレビでコメンテーターの人が「普通は~ですよ。」と話しているのを聞くと、ものすごく怒る。 「ねぇ、普通ってなに?。」と美姫さんが怒った様子で僕に聞く。 「普通って、平均的なって事じゃないの?。」と僕が答えると「平均的ってなに?。」とさらに突っ込んだ質問をする美姫さん。 「平均的は平均的だよ。みんなの意見で一番多かったものかな?。」と僕が答えると「それは、多数決でしょ。」と美姫さん。 わかっているなら聞くなよーと思う。 「じゃぁ、みんなの意見のだいたいの共通点。」と僕が言うと「みんなって誰?。」と言い出す美姫さん。 「そこら辺りにいる人を無作為に選んだんじゃないの?。」と僕が答えると「どうやって無作為に選べるのよ。もしその道を歩いている人がお笑い芸人のファンだったら、お笑い大好きよりの意見になるじゃない。」と美姫さんは言う。 「でも

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  • 短編小説:ありのママ【美姫さんvs日記】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    美姫さんvs日記 僕の嫌いな宿題のひとつに日記がある。 毎日、毎日そんなに何か起こるわけでもない。書くことが無くなってくる。 「美姫さん。日記に何を書けばいいかな。」と僕が聞くと 「ショウは、お隣のクラスにお友達はいないの?。」と美姫さんが聞いてきた。 「隣のクラス?。うーん。誰かいるかな?。あっ、いたいた。」と僕が言うと 「その子に日記を借りればいいんだよ。」と美姫さんが言う。 僕が首をかしげると「その子の日記を写すの。」と美姫さん。 「えっ?。」と僕が言うと「日記はバレないって。先生たちが子どもたちの日記の話をお互いにするわけじゃないし、隣のクラスだったら日記を見る先生が違うでしょ。絶対バレない。」と美姫さんが言う。 「でも、人の日記って写していいものなの?。」と僕が美姫さんに聞くと、「だって、宿題も終わらなかったら、最終手段で人のを写すでしょ。それと一緒だよ。」と美姫さんは答えた。

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  • 短編小説:ありのママ【僕の将来の夢】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    僕の将来の夢 僕の将来の夢は、シェフになりたい。 美姫さんにその事を言うと 「いいねー。ショウ。楽しみ。」と言ってくれた。 「和中華?洋?。」とお父さんが僕に聞く。「どれがいいかなぁ。僕は和が好きだから和かな?。」と僕。「お父さんも和が好きだぞ。」とお父さんが言う。 「私は、焼肉が好きだな。」と美姫さん。「えっ?焼肉?。鉄板焼きじゃないの?。」と僕が聞くと「自分でお肉を焼きたいから焼肉。」と美姫さん。 焼肉屋にシェフいるかな?と僕が首をかしげていると「ショウ、パリに行って修行をすればいいんじゃない?。私、パリジェンヌになってみたいし。」と美姫さんは言いだした。 パリで焼肉屋の修行? 僕は美姫さんが言っている意味がわからず、少し考え込んでいると「美姫さんは、パリジェンヌはなれないぞ。パリジェンヌはパリで生まれ育った人の事で、美姫さんは日で産まれて日で育っているからな。」とお父

    短編小説:ありのママ【僕の将来の夢】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記
    sarapan2014
    sarapan2014 2019/03/27
    美姫さんの容姿如何では・・・ありなのかも・・・?
  • はしやすめ 【映画編】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    いつも『ありのママ』を読んでいただきありがとうございます。 ☆・ブックマーク・コメント等々、励みにしています。 今回は、はしやすめ記事です。 好きな映画の話について書きたいと思います。(軽いネタバレあります) 今回ご紹介したいのは、『ワンダー 君は太陽(2017年アメリカ)』です。 ものすごく、簡単にストーリーを要約するとしたら、 『先天性疾患のある子が、学校に行く話』 です。病気のある子の名前は、オギーと言います。 オギー君はトリーチャーコリンズ症候群という病気で外見上わかりやすい先天性疾患です。 オギー君が学校でいじめにあうんですけど、その学校の対応が私の最大の感動ポイントでした。 日の学校でイジメにあった場合、イジメられた側が転校する事がほとんどだと思います。(私の時代の話なので、今は違うかもしれませんが……。) この映画の中の学校では、イジメた側が有無を言わせず、校長先生に転校を

  • 短編小説:ありのママ【美姫さんvs義務編】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    美姫さんvs義務 今日、学校で国民の三大義務について習った。 学校から帰ってきて、美姫さんに問題を出す。 「美姫さん。国民の三大義務って何か知っている?。」と僕が聞くと美姫さんは「う・寝る・遊ぶ。」と答えた。それ、美姫さんの毎日だよね。 「残念でした。国民の三大義務はね、納税の義務と勤労の義務と子どもに教育を受けさせる義務だよ。」と僕が教える。 すると美姫さん、「あっ、それなら大丈夫。全部守れている。」とピースサインをした。 「『守れている?』って?。」と僕が聞く。 「まずは、“子どもに教育を受けさせる義務”でしょ。私は身をもって、ショウにいろいろな事を教えているよ。」と美姫さん。「えっ?美姫さん、僕に何を教えてくれたっけ?。」と僕が聞くと「オレオレ詐欺の対処法*1でしょ。いじめの対処法*2でしょ。それから……。」と美姫さん。 あれ、教育だったんだ…。全然役に立たないけどな……。少し衝撃

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  • 短編小説:ありのママ【僕vs宿題編】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    僕vs宿題編 毎日、毎日、たくさんの宿題が出る。 「はぁ。」とため息をつきたくなる。でも、美姫さんの前でため息は厳禁だ。 それは、僕が小学三年生の時に起こった。 その日も宿題がたくさん出た。六年生の宿題に比べたら全然少ないんだけど、その当時はすごく多く感じた。 家に帰ってから「美姫さん、宿題がたくさん出たよー。」と美姫さんに愚痴った。 すると美姫さんが「任せといて。」と言い出し、僕の宿題をスラスラスラとし始めた。 「先生にばれないようにしておくからね。」と美姫さんは言い、少し崩し気味に字を書いていく。小学三年生の問題を難なく解く美姫さん。 「自分の宿題は嫌だったけど、人の宿題は楽しいね。」と言いながらドンドン解いていってくれた。 僕は、“ラッキー。”と思い、美姫さんの隣でゲームを始めた。 当たり前だけど、僕が解くよりずっとはやく宿題が終わった。 それからが僕の地獄の始まりだった。 担任の先

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  • 短編小説:ありのママ【美姫さんvs成人式①】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    美姫さんvs成人式① おじいちゃん(美姫さんの父)の家に遊びに行くと、おじいちゃんは写真を見ていた。 美姫さんの写真が大量にある。 「ショウくんは、美姫さんの写真要らないかい?。」とおじいちゃんが僕に聞いてきた。 「いらないよ。」と僕が答える。 「でも、可愛いぞ。ほら、これなんか美姫さんが初めて歩いた時の写真だよ。」とおじいちゃん。「あっ、これは初めてレモンをべた時の顔だよ。この“酸っぱい”って表情が何ともいえないよなぁ。」とおじいちゃんは、写真を一枚一枚見ながら感傷にひたっている。 ―― この光景、つい最近、どこかで見たような気がする……。 あっ、美姫さんだ。学校の宿題で【成長を振り返ろう】ってのがあって、小さい頃からの写真を持ってくるように言われた時に、僕の写真が大量にあったっけ。 今のおじいちゃんみたいに美姫さんがずーっと写真を見ながら感傷に浸ってて、なかなか学校に持っていく写真が

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  • 短編小説:ありのママ【美姫さんvs苗字編】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    美姫さんvs苗字編 僕のお父さんはいわゆる“婿養子”だ。 ぼくも周りに言われるまでは気付かなかった。 僕のおじいちゃんは僕の学校のPTA会長をしている。苗字は“斉藤”だ。僕の苗字も“斉藤”だから周囲の人に“父方のおじいちゃん”と思われている。 “母方のおじいちゃん”と言うと今度は“お母さんの実家が名前を継がないといけないお仕事をしているの?”とか“お母さんは一人っ子で、お父さんに兄弟がいるのね。”とか言われる。 おじいちゃんは継がないといけないような家業はしていない。それと、お父さんもお母さんも一人っ子だ。 美姫さんに「どうして、美姫さんの苗字になったの?。」と聞いた。 美姫さんが一言「私が、ジャンケンに勝ったから。」と言った。 「ジャンケン?」と僕。なぜ、そこでジャンケンが出てくるのかがわからない。 「婚姻届けを出すときにね、こうちゃんとどっちの苗字にするかジャンケンをしたの。将来を決め

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  • 短編小説:ありのママ【美姫さん&おばあちゃん編】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    美姫さん&おばあちゃん編 お父さんのおじいちゃんの家に遊びに来た時の楽しみのひとつに“温泉に行く”という事がある。おじいちゃんの家の近くには温泉がたくさんある。 おじいちゃんにおばあちゃん、お父さんに美姫さんと僕で、温泉に出かけた。 男湯と女湯に別れてそれぞれに入る。 身体を洗い、湯船につかっていると「ギャー――――。」と言う声が女湯の方から聞こえてきた。女の人の叫び声の後に「あら、ごめんなさい。」と言う聞きなれた声。 おばあちゃんだ。すかさず、僕の隣で温泉に入っていたおじいちゃんに「おばあちゃんじゃない?」と聞くと「そうだったかもな~。」とのんびりとした返事が返ってきた。 続いて女湯からは「どうしてくれるの!。」と言う声と共に「無いじゃない。えっ?えっ?。どこ?。」と焦っている声も聞こえてくる。 男湯に入っている人たちは、何が起こったか分からないので聞き耳を立てている。 さらに「無い。無

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  • 短編小説:ありのママ【美姫さんの好きなもの】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    美姫さんの好きなもの 美姫さんに好きなものを聞く。 僕:    「好きな動物って何?」 美姫さん: 「ショウ。」 まぁ、大きな意味では動物だけどね。 僕:    「好きな魚は?。」 美姫さん: 「泳いでいるショウ。」 泳いでいたら、魚になるのか? 僕 :   「好きな芸能人は?。」 美姫さん: 「ショウ。」 僕:    「僕は芸能人じゃないよ。」 美姫さん: 「私から見たら、ショウはスターだもん。スターは芸能人でしょ。」 僕 :    「好きなテレビ番組は?」 美姫さん : 「ショウの映ったビデオ。」 それテレビ番組じゃないよね。 僕 :    「好きなべ物は?」 美姫さん : 「ショウ。」 僕 :    「僕はべ物じゃないよ。」 美姫さん : 「べたいくらい好きって事だよ。」 怖いからやめてね。 僕 :    「好きなご飯のお供は?」 美姫さん : 「ショウ。」 僕 :    「だ

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  • 短編小説:ありのママ【おばあちゃんvs振り込め詐欺編】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    おばあちゃんvs振り込め詐欺編 お父さんのおじいちゃんの家で、みんなでくつろいでいるときに、おじいちゃんの家の電話が鳴る。 「はい、はい、はい。」と言いながらおばあちゃんが立ち上がり、電話にでる。 「もしもし。」とおばあちゃん。 電話の相手が何か言っているようだ。すると「あら、ヒロシね。元気だった?」とおばあちゃん。「あら、それは大変ね。わかった。で、いくら必要なの?。」とおばあちゃんは続ける。「うん。うん。わかった。あっ、ちょっと待っていて、メモするから。」とおばあちゃんは、電話を保留にし、みんなの元に戻ってきた。 「おばあちゃん。知り合い?。」と僕が聞くと、 「うーん。どうだろうね。」とおばあちゃんが答える。 そして、何事も無かったかのようにおしゃべりをはじめた。 保留音は、鳴り続いている。僕は、電話が気になったが、おばあちゃんは、楽しそうにみんなと話しているので、それはそれでいいのか

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  • 短編小説:ありのママ【美姫さんvs帰省編 ②】完 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    初めて読む方は ありのママ  【美姫さん帰省編①】 美姫さんvs帰省編 ② 完 パーキングを出て高速道路に出ると、4人を乗せた軽自動車はノロノロ運転を始めた。 「何だ?あの車、制限速度以下じゃないか?。」とちょっと怒り気味のお父さん。 お父さんは、軽自動車のかなり後ろで距離を保ちながら車を走らせていた。 「いい感じだねー。」と薄ら笑いの美姫さん。 すると、僕らの車を追い越していった大型トラックが軽自動車の後ろについた。大型トラックは、ノロノロ運転をする軽自動車を避けようと右ウインカーを出す。その時、軽自動車が右車線に車線を変えた。 「えっ?。」お父さんが声を出す。 『ぶっぷ―。』大型トラックがクラクションを鳴らすも軽自動車は避ける様子はない。 大型トラックの運転手さんは、腹を立てたのかその軽自動車をあおり始めた。 「アハハ。ひっかかっちゃった。」と美姫さんは笑う。 笑い事じゃないと思うんで

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  • 短編小説:ありのママ【美姫さん帰省編①】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

  • 短編小説:ありのママ【美姫さんvs歌編】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    美姫さんvs歌編 美姫さんは、歌が好き。 でも、自分でアレンジを加えている事が多々ある。 僕が幼稚園の頃の話だ。 その日は、先生のピアノで『手のひらを太陽に』をみんなで歌っていた。 ~♪ぼくらはみんな生きている 生きているから歌うんだ ぼくらはみんな生きている 生きているから悲しいんだ 手のひらを太陽に すかしてみれば まっかに流れるぼくの血潮(ちしお)♪~ 僕も歌が好きだし、家でよく歌っている歌だ。 大きな声で思いっきり歌った。 そこからが僕の知っている歌とみんなの知っている歌は違った。 ~♪毛布だって、ソファーだって、お布団だって♪~ 僕の知っている『手のひらを太陽に』だ。 みんなが一斉に僕の方を見る。 先生のピアノも止まった。 僕は幼稚園が終わってから美姫さんに教えた。 「手のひらを太陽にって歌はね。『みみずだっておけらだってあめんぼだって』って歌うんだって。」 すると美姫さん。 「

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  • 短編小説:ありのママ【美姫さんvs仕事編】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記

    美姫さんvs仕事編 僕が低学年の時の話だ。 学校の授業で“家庭での家族の仕事について調べよう”という宿題があった。 先生に渡された用紙にまずは家族構成を書く。 僕の家は三人家族なので“お父さん”“お母さん”“僕”と書く。 その名前の横にその人がしている家庭での仕事を書きだす。 “お父さん”の欄に掃除、洗濯、事作り、皿洗い、トイレ掃除、買い物、芝刈り……と思いつくものを書きだす。 つぎに“ぼく”の欄に、玄関の掃除、お風呂掃除、お父さんの手伝い……と書きだす。 最後に“お母さん”の欄を書こうとして手が止まる。美姫さんは、一日何をしているんだろうと思い、僕の知っている美姫さんの一日を考えた。 朝起きて……お父さんの用意した朝べたら……ソファーに横になる。そしてお父さんの用意したお昼をべて……ソファーに横になる。それから、お父さんの用意した夕飯をべて、お風呂に入って……ソファーに横にな

    短編小説:ありのママ【美姫さんvs仕事編】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記
  • 短編小説:ありのママ【美姫さん同じ穴のムジナ?編】 - fic-tion’s diary フィクションの創作日記