大阪大大学院医学系研究科(大阪府吹田市)のチームが、失明した患者の眼球に、網膜を刺激する電極を装着し光の動きを追えるまでに視覚を回復させたことが5日、同研究科の不二門尚教授への取材で分かった。国内で初めての成功。 チームは4~7月、10年以上前に失明した網膜色素変性症の女性2人に、眼球の網膜の裏側に49の電極が付いた白金製のチップ(約7ミリ四方)を装着。眼球内にも約1ミリの電極を一つ装着した。 女性の額に取りつけた電荷結合素子(CCD)カメラでとらえた視覚情報を体外装置で変換してチップに送り、網膜を刺激、脳に情報を伝えて視覚として認識する仕組み。2人ともパソコン画面上の光を指で追うことができたという。 不二門教授は「2年後には大きな文字を読めるようにしたい。数年以内につえがなくても歩けるようになるかもしれない」と話している。