『アサシン クリード ミラージュ』はかつてシリーズで遊んだ懐かしさ以上のものを提供できていない。その姿は手を伸ばせばたちまち消えていく、輝かしい昔日の幻そのものである。 なぜ人はゲームを遊び続けるのだろう。個々人によって理由は異なるが、私の場合は「そのゲームでしか得られない体験」を追い求めているからだ。たとえば、暗殺者教団のメンバーとして世界を駆け巡ったり、海賊行為をしたりギャングを率いたり。ゲームの中でスパルタの戦士になることもあれば、ヴァイキングになったこともある。娯楽溢れる現代において、「何が何でも自分を選んでほしい」「今遊ぶ価値のある自慢の体験を用意している」と訴えかけてくる作品こそ評価したいと考えている。しかしながら『アサシン クリード ミラージュ』はかつてシリーズで遊んだ懐かしさ以上のものを提供できていない。その姿は手を伸ばせばたちまち消えていく、輝かしい昔日の幻そのものである