人は日々、無意識のなかで何千もの予測をたてている。たとえば「待っているバスがいつ頃到着するのか?」や「玄関のチャイムを鳴らしたのは誰か?」、さらには「メガネを床に落とした瞬間にそれが割れるかどうか?」といった小さな予測だ。 実のところ、日常の出来事における我われのこうした予測は、そのほとんどが正しいものだそうだ。なぜ、そのような正確な予測ができるのかについて、このほどワシントン大学の研究チームが、実験・解析を行い、その脳の働きにおける謎にせまった。 最初に、研究チームは、被験者に動画を見てもらい、途中で動画をとめて、次に何が起こるかを予測してもらう実験を行った。この動画は、ある人物の日常的な活動(たとえば車の洗車、プラモデルの組み立て、洗濯)などを撮影したものだ。 実験の詳しい手順はこうだ。まず、2種類の異なる動画を用意。1回目では、動画のなかで次の出来事が起こる直前で動画を止め、そして2